52 薔薇恋獄
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暁…… って、誰、なんだ。
[部活の誰かではない。
けれど、日向以外の霊の気配は感じない。
もっとちゃんと、あらましを蛍紫から聞いておけば良かったと、ひとり手を握りこんだ]
『こういうときは、俺より珀のが判るかもな……。』
[眼鏡をかけたとて、想いの残滓が見えるかは謎で。
同調する珀の方が……と、思ったり。
あらましきちんと話していないということは、うっかり忘れてしまっている。]
[指にかかる息にはっと我に返る]
…やべぇ、どうかしてる…
[耀に触れた指をぎゅうと拳の中に押し入れて。
その部屋を*後にした*]
麻雀やると、人間分かるって言うヤツが居た気がすっけど……
[じゃらじゃら]
日向、麻雀教えたら、付き合ってくれっかなぁ。
[幼馴染が真面目に調査をしている中。
牌をいじりながら、そんなことを呟いているのだった]
『あー、やはり、判らん。
後で、珀に見て貰った方がいいだろうな、これは。』
[珀が麻雀を愉しんでいる?とは、知らず、視えなかったことに溜息を吐いたりしている。]
……薔薇……、なあ。
[竹の描かれた牌を撫で、ちらりと寧人を見てから]
なんか、……?
[もっと濃い薔薇の香りを、誰かから感じたような。
けれど、構わないで欲しい様子に、あまり関われなくて、記憶に留めなかった――]
気のせいか……?
[蘭香がいれば、すぐに分かっただろう答え。
けれど、彼も、本人と対峙している蛍紫もいない自分には、当分思い当たりそうになかった*]
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[ この豪雨の中でさえ薔薇は美しく咲く ]
[ 否、寧ろ雨が降りだす前よりも美しい ]
(458) 2011/05/19(Thu) 06時半頃
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[ それは薔薇の一つ一つに魂が宿るから ]
[ 誰のものとは判別し難い、無数の死魂 ]
[ この地で死した、誰かの思いの残滓達 ]
[ それらが今、薔薇に輝きを与えていた ]
[ その魂たちは、今はまだ何も語らない ]
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[ 或ル女ノ、誰モ知ラヌ恨ミノ言葉 ]
(459) 2011/05/19(Thu) 06時半頃
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[ 屋敷を追われ辿り着いたところ ]
[ そこは一本の大木のうろだった ]
[ わたしは全てから逃れるように ]
[ その中へと入って身をひそめた ]
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[ こ ] [ ろ ] [ し ] [ て ]
(460) 2011/05/19(Thu) 06時半頃
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[ わたしはその中で孤独に泣いた ]
[ 暗く沈む闇に希望はもう無くて ]
[ そのままわたしはそこで死んだ ]
[ でもあの方のこと信じていたの ]
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[ に ] [ く ] [ ん ] [ で ]
(461) 2011/05/19(Thu) 06時半頃
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[ 暁様が再びの逢瀬を望むならば ]
[ 有明けの空にわたしは黄泉帰り ]
[ ともに愛でた薔薇の姿になって ]
[ 二人の時間を紡いでいけたのに ]
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[ ば ] [ け ] [ も ] [ の ]
(462) 2011/05/19(Thu) 06時半頃
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[ あの方の隣にはうつくしい女性 ]
[ そのままわたしを忘れて幸せに ]
[ どうか幸せになってくれますか ]
[ 嗚呼なんで幸せになるのですか ]
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[ う ] [ ま ] [ れ ] [ る ]
(463) 2011/05/19(Thu) 06時半頃
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[ *わたしあなたをみかたしてます* ]
(464) 2011/05/19(Thu) 06時半頃
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子守り 日向は、メモを貼った。
2011/05/19(Thu) 07時頃
子守り 日向は、メモを貼った。
2011/05/19(Thu) 07時頃
[ツキリとまるで薔薇の棘に刺されたような、痛みを胸に覚える。]
……俺は、珀と違って同調はしない筈なんだがな。
波長の問題だろうか。
[その痛みを、幾多の魂の想いの残滓とすり替えて、ポツリと呟いた。]
……に、しても……
[じりじわじりり。
肌が焼けるような、痛み。
生きている人間のそばに居る時は気にせずにいられる程度だが、ひとり廊下へ出れば、少しでも距離をとろうとするかのように、壁際へ寄ってしまう]
……薔薇の方から、だよなあ。やっぱ。
[何を語りかけてこられる訳でもない。
ただ、無数の想いの欠片を、体質が感じ取ってしまうだけ]
[たしかに、痛みも感じたのに。
そこに居たのは日向ではなく。
庭の近いせいだと、自分に言い訳することもなく、ただ、静かに諦めの溜息を吐き]
……まだ濡れてたか?
[掃除は自分に任せた筈なのに、と言外に問う響きで、首を傾げた]
[1度目、日向を迎え入れた時の雫は珀が拭いたことは知っている。
2度目、日向が化け物に変わった後、珀が気を失って後の事は知らない。
拭かれていたならば、珀が拭いたのか……と。その言葉に思う。
大丈夫か?と視線で問うのは、幾多の薔薇に宿る想いが視えるから。
その1つ1つに同調してしまえば、身がもたなそうだと。]
あの中に飛び込みたいかっつーと、お断りだけど。
んな無謀はしねぇし、ひとと居る時はわりと、平気。
[とはいえ、必要とあらば飛び込みもするだろうが。
問われる視線に、へらりと笑って、軽く腕を擦った]
それよか、悪ぃ。……ちょっと、へばってて。
お陰でさっぱり何が起きたのか分かんねーから、蛍紫の知ってること、教えてくれ。
[蘭香を……と、話を振ったのは、これまでの説明の布石でもあった。
蘭香を選べといったことに対し、珀がどういう反応を示したとしても、ぼそりぼそりと状況の悪さを紡げば、何故そう言ったかは判ってくれるだろうか。
おそらく、雷が鳴る前に中庭に居た誰か――蓮端が濃厚か、が切欠で、日向が化け物に転じてしまったらしいこと。
その誰かは、暁様――怪談の屋敷の息子に、何か関係があるかもしれないこと。
大須の姿が視えないのは、多分、化け物となった日向の所為だろうということ。
己が判る範囲で、伝えられることは伝えた。
出来れば、蓮端に会って確認してみて欲しいとも。]
……話は、分かった。
夕輝先輩も、探してみる。危なそうだし。
[何故、そう言ったかは分かった。
分かったが、はいそうですかと笑って頷いてやれる言葉ではなく]
ああ、頼む。
今は、石神井先輩と一緒に部屋にいると思う。
でも、少しだけ時間はあけた方がいいかもしれない。
……それと、鳴瀬先生には、俺の眼のことは伝えている。
いい忘れていた。
[激情の色を見返しつつ、淡々と伝え漏れた情報を付け足した。]
[夕輝が哲人と居ると聞けば、広間前での様子を思い起こして僅か、ほころんだ気持ちにもなったけれど。
湧き上がった熱さに、あっという間に掻き消え]
それで、お前はどうすんだよ。
士朗せんせを選ぶってか?!
[普段だったら、何も気づかずに居た頃なら、何時の間にそんな仲良くなったんだ、なんて茶化していただろう言葉。
けれど今は、それすら裏切りのように感じて。
士朗へ感じた八つ当たりの憤りと、蛍紫に対するもどかしさの混じった憤りを、叫んだ]
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