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─ 厨房 ─
[洗い物をこなしていれば、ふと妙な声と一緒に暗闇さんがこんにちは。
食堂には誰かいただろうかと思いながら、記憶を頼りに厨房を出た]
こちら二年、飽戸鳴人! 誰かいるなら反応どうぞ!
[声を張ってみた]
[返る声はあっただろうか。**]
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─ 食堂 ─
[食堂の入り口を探り当てた頃、後ろから声がして振り返る。
飽戸、まだ中にいたのか。それにしても口ぶり的に楽しそうに感じたのは自分だけか。]
仁科。
多分、食堂の入り口あたり。 聞こえる?**
[暗がりでなければ茅葺が息を飲んだ姿も、表情に滲んだ動揺も敏感に察知してからかい倒せたというのに。
惜しい物を見逃したとは知らず、早くこの状況が改善してくれと心の中でひたすら祈り、何かを拝んでいた。
聞こえてきた方向へと、きっ、と声の主を睨み付ける。薄暗さでも分かるくらい、目に涙を湛えてはいたのでは元からない迫力は更に消えていただろう。]
だ、だから!こんな暗闇が怖く、など…あるはずが……。
そもそも恐怖とは生物が備えた危機回避なんたらの結晶とか何とかであってだな!生存本能に則ったものだぞ!
[言葉に詰まり、小声になったかと思えば声を張り上げる。ごにょごにょと回らない頭で反論する声も所々怯えで掠れていた。
肩を叩こうとしたのか、茅葺が髪に触れた手を掴んで握り締める。向けられた二つの指示には小さく頷いて。]
分かったから、早く何とかしてくれ。
頼りにしているからな。気を付けろよ、錠。
[素直にそう告げてから手を離す。ブレーカー程度なら生徒でも何とか出来そうだが、他の要因なら教師の茅葺か斎藤しか頼れないだろう。とはいえ去る足音には物寂しさを覚えていた。]
[なのでつい、出来心で。茅葺の背中に向かって、]
もし階段を上がる時は、“決して段数を数えるなよ!”
数えたとしたら、途中で止めずに数え切り余分に数えるのだぞ!
でないと……。
[そこから先は何も言わず、押し黙る。
あちらの世界との隔たりがなくなって引き込まれてしまう、というオチがすっぽ抜けた訳ではない。断じて。*]
[からかったせいで自分も若干怖くなり、頬を抓り誤魔化そうと。
亀谷が肩を叩き、差し出されたタオルらしき物体を受け取る。]
良いのか?ならば借りておこう。後日、洗って返す。
[どれくらい湿っているか確認すべく自分の頭に触ると、被っていたタオルがどこかに消えたことに気付いた。
先程転んだりした時にでも床に落としてしまったらしい。
表が紺のせいか、暗闇に紛れてどこに落ちているか分からず、後で取りに戻れば良いかとその場の捜索は諦めた。
頭に乗せたタオルで2回頭を拭き。]
電池の場所か……放送室に入って右手の棚にあったぞ!
この前引き出しを漁ったばかりだから間違いない。
[ふふん、と偉そうに答えたが、その後に続いた言葉に固まった。
一人でいるのは怖いからその申し出は有り難い。
だが放送室までは階段もある。更に放送室は防音の密室だ。
それならば移動のリスクを犯さず、大人しくするという選択肢に僅かながらだったが軍配が上がった。]
あー……俺は、大人しくしていろと言われたし、な。
行きたいのは山々だが、動かずにいるつもりだ。
[頬を掻き、申し訳なさそうな声音でそう告げる。
後輩を頼むとの茅葺の言葉もあって、面倒見の良い亀谷により近くにある来客用の椅子が並ぶ裏玄関にでも誘導されただろうか。
薄雲に隠れた月が淡く照らす椅子に座り、ほっと一息。
亀谷が立ち去る前には、]
危なくなったら声を出すのだぞ。
無理はするなよ!
[膝の上に乗せた鞄を抱き締め、そんな言葉を掛けた。]
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逃げろ。逃げろ!おまえらだけでも逃げろ。
[唐突に校舎内が闇に包まれて。
あちこちから響き渡る斉藤の声。]
くくくくく……、
[誰かの悲鳴が聞こえてくる。きっと、驚いているのだろう。
少しの時間を置いて、用意しておいたテープが放送室で回りだす。
ホラーサスペンスBGM集だ。(
最初に流れてきたのは、4だった。
1.着信アリのメロディー
2.女の笑い声
3.おじさんが呼びかけてくる声
4.火サスのテーマ
5.名探偵コナンのテーマ
6.チェーンソーの音]
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[ジャンジャンジャーン!↓
ジャンジャンジャーン!↑]
[真っ暗闇の中響いてくる火サスのテーマ。
まったくもって意味がわからないが、それ故の怖さがもしかしたらあるかもしれない。
すずなり高校殺人事件!?みたいな。]
――――……アッ!!
[しかし。
ここで男は、肝心なことに気づいた。
本当に、一寸先も見えないほどの闇の中。
男自身はスマホであたりを照らしてはいたが、そこに誰かいるのかすらよくわからない。
このままでは、]
驚いた顔、みれないじゃないか!
[これは予想外。
慌てて、そのままスマホをタップする。
ほのかな灯りに照らされた斉藤の顔は少し怖かったかもしれない。**]
____________________
To:茅葺先生
To:飽戸
Sub:斎藤です。
____________________
大丈夫ですか?
なんで急に電気が落ちたんでしょうね?
私は配電盤の方を確認してきますので、茅葺先生は他の生徒たちの様子を見ていてくださるとありがたいです。
飽戸は、動き回って怪我したりしないように。
ただでさえ、眼帯していたんだしな。
P.S.茅葺先生、さっきのメール、文章いれてたのタイトルですぜ!
____________________
[配電盤を確認されれば、仕掛けしていたのがバレてしまうかもしれない。
証拠は今、隠滅しておくに限る。
火サスの犯人顔負けの思考回路で、斎藤はのそのそと配電盤のある部屋へと向かった。**]
/*
すみません、ちょと業務連絡ですが、メモでも言いましたが鳩紛失してしまいました。
今日明日と外出してますので、鳩から暇みつけて発言する予定だったのですがががが。
今友人の箱借りてまして、一応配電室に向かうロルまで落としたので、このまま日替わって電気つけてもらっても大丈夫じゃないかなーとは思います。
フォローあまりできず申し訳ない……!
メモを貼った。
/*
お疲れ様ですよー。鳩の無事を祈りつつ、気に病まれませんように(撫でた
/*
お疲れさまです、火サスBGMにふきました。
紛失とはなんという…鳩見つかることを祈ってます(なでむぎゅ)
生徒達の様子見つつ、コミット揃いそうだったらそのまま電気つけて進めてしまいますね。
いえいえ、お忙しいところありがとうございますー!
墓下でゆるりと過ごしてもらえれば。
―シャワー室―
……あれ?停電でしょうか。
[食堂で早くご飯を食べました。豚汁とおにぎり美味しかった
その後すぐシャワーを浴びていたのだがいきなり真っ暗になってしまった
それはまだいいのだが]
……服どこ置きましたっけ?
あ、ありましたね。
[手探りで服を探し。慌てていたためいつもよりだらしなく服を着てしまう
いろんな音や声が聞こえる。みんなが心配だ]
誰かと合流したほうがいいですね。
[裸足のまま廊下をひたひたと歩いて行った**]
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― シャワー室までの廊下 ―
[ 中々慣れもしない夜目に、目を細め。
それでも多少はぼんやりと見える輪郭を頼りに、
留まっても仕方ないか、と。
ブレーカーか、何が落ちたのかは知らないが――、
一先ず照明のスイッチを探すために、
壁伝いに歩き始めることにした。 ]
……――別に怖くはないけど、
別の意味で怖いね、コレ。
[ 主に、誰かとぶつかったりしないか、が。
辺りには気を払いつつ歩いたが――、
もしかすると、廊下を歩いていた誰かと、
ぶつかったりしたかもしれない。 ]
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逃げろ。逃げろ!おまえらだけでも逃げろ。
メモを貼った。
な、ない、けーたい、ない、ないないないないない……っ!!
[探っても探っても、便利で頼りな相棒は見当たらず。
真っ暗な視界の中、心も焦りで黒く塗りつぶされていく。
よる、くらやみ、おばけ、ひとり…
堪らず近くの柱にしがみつくが、不意に放送が入ると飛び上がらんばかりに驚き短く悲鳴が漏れた。]
あーーーっ!あーーーっきっこえないぃぃーーーっ!!
[ついには耳に手を当てしゃがみこんでしまう。
少し離れた廊下に、悲鳴じみた叫びが響く。
…どれくらいそうしていただろう?もう大丈夫かと手を外し、涙目で窓を見上げたその時だった。]
『…逃げろ。逃げろ!おまえらだけでも逃げろ。……』
[プツンと なにか切れる音がして。]
[気づけば彼は悲鳴だか絶叫だかをあげながら、あらぬ方向へ走り出していた。]
─ 裏玄関 ─
[茅葺と亀谷の二人と別れて何分くらい経っただろうか。時計も見えない暗がりでは時間感覚までもが狂わされていく。]
文明の利器という便利な物があるではないか。
[携帯を開くと今の今になって、今朝送ったメール
まあ良いか、と送り直しもせず削除し、闇に葬り去る。]
……いや、それは……だがなぁ……。
[真っ白なメール作成画面を開いたまま、誰かを呼ぶという作戦が浮かんだものの実行に移せないでいた。
誰に?どんな文面で?そもそもここにまで来てくれるのか。
うだうだ悩み、意味もなく改行しては削除しを繰り返す。
転んだりする可能性があっても亀谷についていくべきだったかと後悔しつつ、閉じた携帯をポケットに戻そうとして。]
[絶叫しながら向かった先は…4
1食堂2シャワー室3裏玄関4神のみぞ知る**]
──ッ、うきゃああああっ?!
[突如鳴り響いた火サスのテーマ曲
『鈴鳴る学舎、星見の夜に起きた悲劇!
密室の鍵を握るのは美女の幽霊?!』
というテロップが頭の中にタイプ音と一緒に叩き出された。
もしやこの天体観測は最初から仕組まれた罠なのか、と疑心暗鬼に陥り、足を動かした瞬間。]
……あっ。
[自分の叫び声のせいで足元に落としてしまった携帯に気付かず。
蹴り飛ばした携帯が廊下の真ん中にまで滑ってしまう。
迷惑メールか何かを着信したのか、お知らせランプがちかちかと忙しなく点滅していた。
取りに行こうにも、直前まで携帯の明るい画面を見ていたせいで、自分の足元すらよく見えない。
溜め息ひとつ。大人しく椅子に横たわり、目が慣れるか誰かが気付いて拾ってくれるまで待とうかと。]
メモを貼った。
─ 食堂 ─
[いろんな方向から聞こえる絶叫でさえBGMとなっていたのに、おなじみのサスペンスの音楽までBGMとなるとさすがにうるさい。
怖くもなんともない自分からしたら、面白さしかないのだが、飽戸はどうだったか。]
……飽戸は暗いの平気?
俺…… 騒いでるの助けようと思うんだけど。
[とりあえず、提案をば**]
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ミケの絶叫が聞こえたような。気のせいか。
右手の棚……。
[神鬼によるとどうやら電池は放送室にあるらしい。放送室内の構図は分かっているため、たどり着けばすぐに見つけられるはずだ。
付いてくるかどうか神鬼に伺ったが、彼は動かずにいるつもりらしい。それを聞いて、じゃあどこか休める場所をと考え、近くの裏玄関まで移動した]
じゃあ、ちょっと行って来るね。
[しかし神鬼をここに置いて行くのは気が引けた。口では色々言っているが、多分彼は暗闇を怖がっているだろうと思ったから。しかし停電がいつ直るか分からないなら、光源がないのは心もとない]
これ良かったら食べて。……先生には内緒で。
[今朝、茅葺先生に見つかった菓子を取り出して神鬼に差し出した。少しでも怖さが紛れればいいのだけど]
メモを貼った。
[そして裏玄関を立ち去る前に、神鬼から声を掛けれれれば、茅葺先生の時と同じように分かったと返事した]
ミケくんも、何かあったら叫んでね。
[しかし先ほどあれだけ声を上げられれば無用な心配か。
危なくなったら声を出す……今まで生きてきて、大声を張り上げたことなどあっただろうか。どうも記憶に薄い。
そのまま神鬼と別れ、放送室がある二階に向けて壁伝いにゆっくりと歩き出した]
[階段に差し掛かり、慎重に一段一段上がっていく。……悲鳴の数が増えているような気がする。ホラーは平気なのだが、人の悲鳴となれば話は別だ。何が起こっているかが分からない恐怖がじわりと沸く]
…………え?
[そんな時に聞こえ始めたのは、火サスのテーマ曲。何故、今、そんなものが流れ出すのだろう。あ、いまどこからかまた悲鳴が……]
あれ……でも停電してるのに、
何で校内放送が流れるんだろう……?
[普通、停電しているならば校内放送も仕えないはずだ。そうなるとこれは、どういうことだ?どちらにしろ放送室に行くしかない。
悲鳴と変な声と奇妙な音楽をBGMに廊下を進み、やがて放送室の辺りに来れば懐中電灯を取り出してスイッチを付けた。
弱い光が照らし出すのは、部屋の扉の上部に備え付けられたプレート。それには"放送室"と書かれており、その部屋の扉を開けて中に入った]
[放送室の中には誰もいなかった。まずは神鬼に言われた棚の中を物色し、新しい電池を見つける]
すみません。今度、新しい物を買って戻します。
[学校の備品を勝手に拝借することをその場にいない誰かに謝罪して、懐中電灯の電池を交換すれば光源は復活した。
そして次に、放送機材の方を見ると何かのテープが回っている。それを止めてテープを確認すれば「ホラー、サスペンスBGM集」と書かれていた]
これは……放送室の物ではありませんね。
[そうなると誰かが持ち込んだということになる。謎の停電とテープに首を傾げながらも、とりあえずテープは預かっておくことにした]
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