224 Cнег дьявол〜凍ったケツ村〜
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― 厨房 ―
林檎のシャルロートカ、素敵! え…転んで。…ええと、大したことないのよ?
[告げられたケーキの名前に表情は明るくなる。>>0:108 が、引きずる足を指摘されて言葉が詰まる。「転んだ?」という問いかけを否定しようとするが、嘘は付けない。ケイトを心配させまいと弁明しようとする。大丈夫だと証明するように、くるりとその場で回ってみせて、 ぐきっ。]
……!
[声にもならない、悲鳴。 美味しい匂いについ我を忘れてしまったが。勿論、痛みは消えた訳ではなかった。促されるままに椅子に座り、おずおずと足を差し出した。大人しく手当を受ける。*]
(1) 2015/05/25(Mon) 01時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2015/05/25(Mon) 01時半頃
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― 厨房 ―
[一見、しっかりしているように見えて、うっかりなところがあるとは知っている。例えば返す筈の本を忘れて来たりね。けれどもそれ以上にドジなわたし。 ケイトは一緒に宿屋を手伝う仲間。仕事ではケイトには頼ってばかり。わたしの方が年上だというのに情けない。]
えへへ〜、ごめんね。 ケイトにはいつもお世話になってばかりだね。
[へりゃりと眉を垂らした。謝罪する声も弱々しい。 手当が終えれば具合を確かめる様に立ち上がって、とんとん。靴の踵で音を鳴らす。]
ち…ょっと、痛むけど大分マシになったよ。…ありがとう。 …そういえば、もちろんケイトはあしたのお祭りには参加するんだよね?
(12) 2015/05/25(Mon) 08時半頃
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明日のお祭りが楽しみだね? きっと今年もヴェスが素敵なランタンを作ってくれる。それに、ケイトのお菓子も楽しみ。
…ねえ、明日はどんなドレスを着ていくつもりなの…?
[その後、ふたりでポルックのボルシチを食べただろうか。今度はふにゃりと柔らかい笑みを浮かべた。**]
(13) 2015/05/25(Mon) 08時半頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2015/05/25(Mon) 12時半頃
お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2015/05/25(Mon) 22時半頃
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― 回想/宿屋、ケイトと ―
[怒られた子供のように眉を寄せてしゅんとうつむいてしまう。ケイトにも笑われてしまった。>>24 「お祭りで歩けなかったら嫌でしょう?」と聞けば勢い良く顔を上げて小さく叫ぶ。]
うん…、明日のお祭りで歩けないのは嫌! 明日は…シメオンと回る、約束をしてるの。酷くならない様に気をつけるわ。
[にこり、と笑って。]
ねえ、知ってた? シメオンと…そう、アランさんが帰って来てるのよ! お客様はアランさんだったの。うん、おにいちゃんに料理を届けてあげて。 もうひとりのお客様はヨアヒムさまと言って、お肉が食べたいみたいだったわ。
ふふっ、 大好きな人達が、ふたりも帰って来るなんて嬉しい。
(74) 2015/05/25(Mon) 23時頃
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[お祭りには何を着て行こうか。なんて、年頃の娘たちらしい話に花を咲かせながら。 ケイトの叔父さん特製のボルシチを二人で食べた。ホッとする優しい味、上に乗ったサワークリームの爽やかな酸味も食欲をそそる。焼きたてのお菓子も美味しくてぺろりと平らげてしまった。*]
(75) 2015/05/25(Mon) 23時頃
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― 夜、暖炉の前で ―
[しんしん、と、物言わぬ世界に、確かに響き渡る音。暖炉ではパチパチと音をたてて薪がはぜて、部屋には暖かい空気が満ちている。 暖かさを横顔に感じながら、常に形を変え続ける炎を横目に、肘掛け椅子に腰を下ろす。]
[シメオンのもとを立ち去る間際、彼は言った。「あの子」にもよろしく、と。 それに、わたしは返事が出来なかった。今や「あの子」の話しを他人にすることはない。彼女への手紙は書き続けている。炎が爆ぜる音を伴奏にお友達の好きな歌を口ずさんだ。]
雪の降る夜は 楽しいペチカ ペチカ燃えろよ お話しましょ 昔 昔よ 燃えろよペチカ 〜
[もう時間がないのだ。わたしは布と布を縫い合わせていく。 白い布と紫の糸それらが針と共に踊るとき、そこには鮮やかなすみれ色のドレスが仕上がっているはず。]
(77) 2015/05/25(Mon) 23時半頃
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[わたしは針子。自信の為に服は仕立てない。 このドレスは、あの子の為の。]
どうしてかしら。ケイトは自信のないように見えるの。 ケイトは、優しくて、かわいい。素敵な女の子なのに。
[わたしは見逃さなかった。シメオンの名前を口にした際に僅かに顰められた少女の眉を。 仕立ての終わってないドレスを手に取った。ずっと前に出来上がる筈が随分と遅れてしまった。今更だろうか、押し付けがましくはないだろうか。ぎゅっと、胸の辺りで抱きしめる。]
ねえ、A。 ケイトは喜んでくれると思う…?
[寒さの為ではない、震える声で訊ねた。返事は、ない。*]
(78) 2015/05/25(Mon) 23時半頃
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「前にお話していた、ケイトに贈るつもりのドレスは完成しました。ただ、彼女へ渡す勇気が出ません。 今日は待ちに待ったお祭りの日。 角灯が冬の夜を美しく飾るのでしょう。お祭りで並ぶお料理やお菓子も楽しみです。それにね、大好きな人達が帰って来たんです。今年のお祭りは一段と賑やかになりそう。
貴女もお祭りに行けたら良いのに。」
(83) 2015/05/26(Tue) 00時頃
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― 翌朝 ―
[何時もの決まり文句で締めくくり、筆を置く。書き終えた手紙は白い封筒へと入れる。 わたしは机の中を開く。中から出てきたのは、古びた手紙の束だ。どの手紙にもお友達があて先に書かれ、差出人にはわたしの名前がある。幾通ものまっしろな手紙たち、それらは全て、消印は押されていない。切手どころか、宛先すら書かれていない。 出せない手紙の束が幾通も積み重なるばかり。*]
(84) 2015/05/26(Tue) 00時頃
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― ドロシアの店 ―
[ドロシアは祭りの会場へ出掛けた後だろうか。 (受付は終了してるとは知らず、)昨日の内に頼んだ洋服を取りに行った。あくまでも、会場へ寄るついでを装って。 昨日の今日、洗濯は終わっていなくても仕方がない。事情も話せず、祭りに間に合わせて欲しいと図々しくお願いは出来なかった。]
[コン、コン。と扉を叩く。**]
(85) 2015/05/26(Tue) 00時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2015/05/26(Tue) 00時頃
[カラカラ、と、頭の奥深いところで何かが回る音がする。
見開かれた菫色の瞳は、確かに目の前の青年を捉えていた。
否。目の前の青年の、瞳のもっと奥の奥。
ねぇ、わたしよ。
遠くて近い声が鳴く。まるきり別人の思考が割り込んだように、少女の意識は完全に停止する。
わたしよ。わかるでしょう?
カラ、カラ、カラ。
ああ、滑車が回るような何て耳障りな音。
彼が答えてくれたなら、この不快から抜け出せるんだろうか。
明滅する意識の底で、少女の知らない獣が息をする。急かすように。
はやく。はやく。]*
[ 目蓋の裏側に直接破片が混じったような冷たさを痛覚として認識する。
せり上がる唾液を嚥下することも忘れて、唯々魅入る。
戸惑いの種を摘み上げた唇はゆぅるりと弧を描き、吐息混じりに音もなくひとこと「囁く」だろう。 ]
『 あぁ───…見つけた。 』
[潜り込む異分子。
内側から侵食しては脳を巣食う正体に気付けた者を知らない。
何故なら、真実に気付く前に、人は皆───]
[くすり。
喉奥で声は嗤う。
唇は動いていない。ただ息をするように滑らかに紡ぐ。]
『 誰に見て欲しい? 』
『 誰に気付いて欲しい? 』
[ 何が「変わった」というのか、
この男は自覚していないのだけど。]
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― 祭りの広場 ―
[さて、昨日はケイトにどんなドレスを着るのか訊ねてみたけれど。 わたしは言うと…
お洒落よりも食い気だった。シャルロートカを昨日も食べたのに今日もぱくぱく。]
(101) 2015/05/26(Tue) 02時頃
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[昨日だって――。こっそりお皿の端に乗せられた焼き立てのお菓子に。>>24 「え、良いの?お祭りの為に焼いたのでしょう?」驚いた様に目を瞬かせて。質問はするものの、シャルロートカから目を離さなかった。 水色の瞳は、キラキラと輝く。大きく口を開けて食べれば、口の中いっぱいに広がる甘さ。]
っ、美味しい。やっぱり、ケイトのお菓子は世界一ね!
[おかげで笑顔までとろける。何時もの様に素直に感想を告げる。]
(102) 2015/05/26(Tue) 02時頃
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[彼女の作るお菓子が好きで。勿論、本人のことも大好きで。 怪我の心配をしてくれて、今もこうして皆に内緒に明日のケーキを味見させてくれた。不思議と、甘やかされてる気分になる。 くすり、くすり、その後の少女達のお喋りでも笑い声が零れた。楽しげで、くすぐったげな笑い声。]
(103) 2015/05/26(Tue) 02時半頃
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[ケーキを食べながら会場を見渡す。折角の祭りだ、普段は眠ってばかりのあの男も来ているかもしれなかった。 シメオンと同い年で、わたしとも歳が近かった。男の口先だけなところが好きになれず、こどものわたしは邪険な態度を取ってしまうこともしばしばあった。 珍しく外出しているところを見つけては、「ねえ、何時までご両親に甘えてるつもりなの?」「貴方も働きなさいよ。」なんて、口煩く言ってしまうことも。 けれど、そんな男に呆れても不思議と距離を取らなかった。もし、男が嫌がる素振りを見せようが、お節介を焼くのを止めようとはしなかった。]
(104) 2015/05/26(Tue) 02時半頃
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[もし、リーの姿を見つけたなら、]
貴方もお祭りの時は起きてるのね。 普段から起きていたら、どう?
[一応、起きている姿は見かけるのだが。ぼーっとしてるだけなら眠っているのと大して変わらない。 尤も、それも思考に耽っているらしい。そう宣われた時は、「何時になったらその思考をお披露目してくれるの?」と将来の大物に返しただろう。]
(105) 2015/05/26(Tue) 02時半頃
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[腕には籠をぶら下げている。紫色のドレスを忍ばせて。 まだ、シメオンとケイトには気が付いていない。**]
(106) 2015/05/26(Tue) 02時半頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2015/05/26(Tue) 02時半頃
『 あぁ───…見つけた。 』
[カラン。……カチ、リ]
[音を介さない囁きが、そろりと風に乗った。
鼓膜では無い場所から脳の深く深いところまで、届く。
カチ。カチリ。空回りする歯車が、確かに噛み合う音。深めに被ったプラトークの陰で、停滞した意識が戻る寸前に、少女は確かに──微笑んだ。
誰に見せた事もない、愉悦と欲に濡れた瞳で艶然と。]
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