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[ひらひらと、ひらひらと。
朝にひらめく蝶の行方は誰も知らない。
お互いに干渉せぬが蝶の了解。
されど、されど。
虫の知らせが鳴いたなら、最後の花夜として。
運命は女衒の御心を、掬い上げてくれるやもしれない。**]
── 東雲の頃 ──
[ベルさまとの閨、その『蝶』が飛び去ってしまわれて
後片付けをと動き出せるようになるまで
丸窓を見上げていた頃にございます。
花主さまのお気配は、淀んだ空気にてすぐにわかるのでございました。
宵闇色をした長いお髪が少し何かで焼けておられるようでした。
僕は着物を纏い直して、花主さまへと正座し
彼の歪んだお言葉を、今日も耳にするのです。]
[慈しみに満ちた、歪な言の葉
僕はこれをもう幾歳聴いてきたことでしょう。
愛でるだなどと、しもしない癖に。
愛しいだなんて、思いもしない癖に。
本当のところなど、どうかは判りませんが
僕はいつも、そう思っておりました。
花吹雪のように舞い散るは
今宵の僕につけられた値でしょう。
幾らのものであったのかなんて、知ろうとも思いませんでした。
ただ、見下す花主さまの足元。
落ちた花弁を数枚手に取り、恭しく頭を下げたのでございます。]
花主さま。
櫻にこの対価で、花の苗を与えては下さらないでしょうか。
庭に、秋を迎えたいのです。
[花の苗を与えて頂くには数枚で事足りるでしょう。
それ以外はいりませんと、僕は足元に跪きます。
膝を揃え、内股を『蝶』の残り香に染めたまま。
頭を地につけ指をつけ、願い請いました。
其の姿はきっと他の『花』たちも
この地下牢で幾度か目にする、東雲の光景だったでしょう*]
[暁にもならない頃、蝶は翅に弁の一欠、されど弁より重い何かを引っ提げて、まずは巣へと這いずり帰る。
その時は、他の蝶に出会っても口を効く気にならなかっただろう。
虫の知らせが鳴いたのは子が夢から醒める刻を回った頃。時間さえも稚拙だと、朝日に背を向けて鼻で一笑。
運命に沿うよう、脚を進める。*]
[暁が宵闇切り裂く頃、花主が白の紙吹雪を花に降り注がせた後――東雲の空から昇った太陽が中天の陽になった頃、ようやく割れた鏡は目を覚ます
虚空を見つめ瞼を下ろした友
見ないでほしいと願った。自分が狂い咲き乱れる姿など。それは友も同じだったかどうか、それはわからない
暫し無心に琴の音奏でていれば、花主の使いだろうか禿の背格好の花見習いが花主の言葉を伝える。曰く――]
鏡が割れたならば、他の花を傷つける前に捨てねばならぬ
[……と]
[然様でございますか。そう返す言葉はか細く途切れ途切れだったろうか
ほろ苦く笑いながらもその前に、一目友にあいたかった
当てもなくふらりふらり宵闇迫る冷たい廊下を歩く
友の部屋へ行くまではできたもののその襖を開けるのはどうしても躊躇われ、一輪の勿忘草の押し花の栞をそこに挟んで踵を返した
逢いたいのに逢いたくない
忘れられたくないのか、否、忘れてほしいのか
嗚呼今宵も夜が来る。また花は乱れ咲き狂うのだろう
明日には下町の娼館に払い下げられる身、こんな身で面と向かって逢う勇気が、持てなかった]
─暁の空─
[確かに、確かに花は綻んでいた──…]
[鳥の囀りも届かぬ薄暗い籠の中。
気怠い身体を沈めつつ、鼻先埋めるは背を預けた白い空。
すん、と鳴らしたその先で蝶の残した鱗粉にぐしゃりと顔を歪めさせて。
もう温もりの無い手のひらを何度も握り締めては、幾ばくか大きな翅を思い出そうと吐息を漏らす。
昨晩の宴の気配を感じさせる匂いはすれど、乱れる淫靡な囁きは成りを潜めたその場所で]
──……。
[ぎゅぅ、と。手のひらを握り締めては、暫し残り香に顔を寄せては目蓋を閉じる。
ほんの少しだけ、夢の続きを見ようと。
人の顔が刷られた花吹雪
………貴方なんか、大嫌いです。
[囁いては、揺蕩う意識の中、されどもしかと耳にした言の葉とはにかみ笑みを浮かべたその人を掻き消して。胸に咲いた花を*手折った。*]
[この世には、ちょこれいとの匂いのする花があるのだそうです。
その色を、その香を、知りたかったのですが
どうやら手に入らなかったらしく
置いてあったのは、似た色の
オレンジ色をした秋桜でした。]
…────。
[細く、少し長い息を吐き。
僕は中庭で、秋をお迎えする準備をしていたのでございます**]
庭に、秋を?
そうかい、ソウカイ。
花が花を愛でるとは、いくぶん滑稽だねえ。
ならばアレを植えておくれよ。
秋と言えばアレだろう。
“死人花”。
[頭を擦り付けて乞う様に喉を鳴らした。
花が花をとは、また滑稽で退屈しない。
この櫻の梢は他に媚びるよで、媚びぬ花。
それがこうして頭を下げる。
草花ひとつのためだけに。
狂気に染まった笑みで嘲笑する。
花植のリクエストを呟きながら。]
なんだい、なんだい。
こんなにも対価を貰ったというのに
お前の価値には見向きもしないかい?
嗚呼。
余り私を落胆させないでおくれ。
[櫻の梢も、拾うのは数枚であった。
淡き藤も、紙幣の吹雪に目もくれない。
つまらない。
心底、といったように男は重い溜め息を吐いた。
人のプライドなど屑折れた姿で、大枚をかき集める花が見たいのに。
それでも男は笑っていた。
なに、楽しみはまだまだある。]
法泉、おいで。
お前が一番慕う花は誰だったかねぇ?
私には興味もないが。
その花に伝えておいで。
“鏡が割れたならば、他の花を傷つける前に捨てねばならぬ”
安心おしよ。
丁度、下町のひとつに穴があって困っているそうな。
其処で丁重に扱ってもらうさ。
丁重に、ね?
[男が言伝てたのは早朝。
法泉という花見習いが、伝えに向かったのは昼頃。
その間、花見習いも心を割く思いにあっただろう。
何時の頃からか、花は花が教え育てることが増えた。
“丁”という花もそうだったか。
法泉もまた、藤の花に尊敬の念を抱いていたのだろう。
知っていてこそ、男はその花見習いに伝えさせたのである。]
さあて、愛しい吾が子達。
今宵も狂い咲いてお見せ。
蝶を惑わせ、夢をみせ
たんまりと搾り取っておしまいよ。
愛も金も善も悪も。
毒花のよに。
くは、ははハハハッ!
[高笑いは、宵闇に *溶け消ゆ*]
[ゆうらりゆらり。朝焼の陽を浴び蝶の翅影は地に揺ぎ。
リンと鈴虫が鳴いたのを聞けば、ふと心にさえ影が差しただろうか。
――悪寒、一筋。
其れが何を示した物かは到底分かり兼ねるけれども、唯背筋を上る感覚にはぶるりと躰を震わせ。]
…なんだよ、
[よもや風邪でも引いたのかと、泡沫の夢を、宴を思い出しながら。
否其れもあり得ないかと、軈てその翅で躰を支えたなら、眉を顰め困惑の吐息を吐いて、ひらひら、影を揺らしまた虫籠へと戻りにけり。]
【人】 許婚 ニコラス[僕はまた花の館に来ていた。 (7) 2014/09/17(Wed) 12時頃 |
[あるいは、あるいは識る相手は蝶だっていいのだけれど。]
[紙吹雪が牢に舞うのも、ちょうど聞こえた櫻の花の行動も。
今や見慣れた光景だとゆるりと瞼を持ち上げる。
白を拭うもされるがまま。
本当ならば手を伸ばし、藤の花へと触れたかったのだが。
俺には側に居る権利もましてや手を伸ばすことさえも、許されぬ事のような気がして。
顔の穢れが友のおかげで粗方清められれば、後片付けと己の身を清めに行っただろうか。
藤の花には小さく礼を一つこぼして。]
[真昼の月がぼんやりと見えた頃。
朧は目を覚まし慣れた手つきで身支度を整える。
花の見習いが手伝いに来たかもしれないが、いらないと追い返すのも何時もの風景。
部屋の中央で煙を漂わせ、時間をもて余すのもまた変わらぬ日常。
ただ、一つ違うことといえば。
友が訪ねてきた事を知りながらも
顔を見たかったのは確か。
しかし、顔を合わせたくなかったのも嘘では無い。
藤の花に告げられた事実など露知らず。
花の思いもまた、知らぬまま。]
【人】 許婚 ニコラス[櫻子に声をかけると、同じように声をかけていた人物>>10がいたようだ。 (17) 2014/09/17(Wed) 15時頃 |
[我らが主の、散らす"モノ"。
拾わずして、花である価値は、己には見出せない。
命令であれば恭しく傅き、従うまで。
其れが己の、花である理由。
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