194 花籠遊里
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可愛い吾が子達。
今日もお前たちに潤いが降るよ。
恵みの雨とはよく言ったものだねえ。
[毎日それは繰り返される。
牢に降るは紙の雨。
丁の許へと降らすは二倍。
よく働いたねと微笑み落とし。]
昨夜も、昨夜も、狂気は落ちる。
夢の終わりを迎える空に、揺れる宵闇の長き束。
籠の外へと逃げる足音聞きながら。
蝶の舞う朝焼けに目を細め、男は唇に弧を描く。
(#0) 2014/09/21(Sun) 08時頃
次の朝には虹さえ浮かび。
何か祝福するかのようだった。
天高く、空は秋晴れ。
謳い文句が繰り返される。
おうや、おうやと宵闇訪れ。
けれどもしかし
蝶は減り、花は減り。
(#1) 2014/09/21(Sun) 08時頃
[朧月夜の言の葉に
漸く藤の花が一輪、籠から消えたことを知りました。]
────…。
[何を言葉に出来ましょう。
否定して頂きたかった言葉は、されず
思っておりましたことを、肯定するように紡がれたのです。]
[知らぬ『月』の名を呼ぶことは出来ません。
藤色のみが、それを許されていたでしょうに
消えてしまったその『花』に、月は欠けてしまったのでしょう。
はらはらと。
涙の代わりに霧雨が降っておりました。
さらさらと。
月の欠片の砂塵が舞っておりました。]
とても。
───お辛い、でしょう。
[櫻は枝葉にて、月を抱きます。
月が眠ってしまわれるまで、そよそよと
枝葉を濡らし、夜風に揺れていたのです。]
[藤の花欠けたことを知る朧月夜。
もう一輪、『おうじさま』に連れ去られた『おひめさま』がおりました。
それはまだ読んだ事のない『花籠物語』。
咲き行く『しあわせ』。
先行く『仕合せ』。
それは『幸せ』な結末の向こう側。
囁きは花籠、中庭に植えられた種
明日にはきっと、哀しき花を咲かせるのでしょう。]
月が、欠けてしまわれましたよ?
逢いに来てくれるのでは、なかったのですか?
[欠ける前に、必ず逢いたいと謂ってくださったのは一輪の『花』。
『人』ではないのです。
だからきっと、もう逢いに来てなどくれないのでしょう。
彼の『花』は『人』となりてしまったのです。
もう、この籠の中には咲かぬのでしょう。
取り残された櫻の『花』は、中庭で櫻色を揺らし
呪詛の種を埋めていたのでございます。]
[黒衣を纏う男は、彼の昼の顔とよく似ていた。
責背負い、裏と表を使い分ける。
だからこそ、人の気配にも聡く、発音にも癖が付いて回った。]
―――…ニコラス坊やか?
[小さく呟いた声は彼の耳に届いただろうか。
強いられる彼の痴態がフラッシュバックして、甘い重さを腰に自覚すると、自身も軽く頭を振った。
気を抜けば飼い猫へするように、彼を呼んで仕舞いかねない危うさだ。]
[『花』でもなく、『蝶』でもなく。
『人』同士で紡ぐ『夢物語』なら。
どうか、『しあわせ』であってほしいのです。
梅花を埋めながら、僕の『しあわせ』を
赤魚を埋めながら、僕の『呪詛』を
まるで希望と絶望添えるように、埋葬したのでありました。]
[櫻子とヘクターの会話はよく聞こえてこなかったが、自分の名を呼ばわる小さな呟きは何故か妙に耳についた。]
ふぁ、はい…!
[ぼうっと昨夜のことを夢想しかけていたところに声をかけられたので、なんとも情けない声をあげて返事した。
彼の事が恐ろしいわけではないが緊張はして、背筋がぴんと伸びる。]
[きゅうと、唇を引き結んでおりました。
表情は微笑みを湛えているというのに。
どうして僕は、小さく唇を噛んでいるのでしょう。]
[夜の香りを色濃く残す虫籠に、金の雪が降る。
今夜は何もしていない、と否定もせずに、多く散らばった其れをかき集める。
夢を、見ている。
素直だと嘲る声を身に受けながら、
こうしていればいつか、外へと戻れるかもしれないという夢を。
其れは儚い唯の夢でしかないと、心の何処かで諦めながら。
この花籠に浸りきった身体に、他の居場所等有りはしないのではないかと疑いながら。
それでも。]
―――…ほう。
まだ、中に違和が残るかね。
[ツイと、近づいてきた彼の腰に指先伸ばし、円を描く接触。
櫻樹の前での戯れは、昨夜を誘発させる因子。
染まる横顔をチラリと横目で視姦した後、密やかな声で囁いた。]
ひゃっ
[忍びやかに伸ばされた指先の感触に小さく悲鳴を上げる。]
や、やめて下さいよヘクターさん…!
[これには流石の僕も赤い顔で抗議した。
櫻子の前で痴態を演じる羽目になるのは避けたい。
櫻子も廓の花なのだから慣れてはいるだろうが、あのくりくりとした大きな黒い瞳に見られるのはなんだか憚られた。
多分、物凄く恥ずかしいだろうから。]
[まるで、櫻の前では見得を張りたいと言わんばかりの文句
彼の素直さに主張の激しい喉仏が緩やかに上下した。
花前でも微笑を取り繕っているばかりだった数日前に比べれば、
随分彼には色が増えた。やはり、彼には才能があるのだろう。
人を惑わす天性の才能が。]
["丁"という花の名を借りたのは、己の全てを掌握するあの男が好ましく思えなかったからだ。
花籠の主。
誰よりも高みから眺めるあの男に、己は居場所を決められたのだから。
もう二度と聞きたくも無い名前でしょう?
其の意味を込めて、嫌がらせに、己は"丁助"に成った。]
[白に含ませる沈丁花の香も、以前の"丁"を真似た。
赤い蕾をつける花だから。
理由は後から追いかける。]
[花として生きる花たちを、自らと同じ立場だとい言うのに、何処か遠くに感じることがある。
馴染んで居るのか、居ないのか。
花らしく微笑みながら、世界は薄い膜の中。]
ちょう。
[男の声は“丁”の名を綴る。
在るのは普段変わらぬ一階の奥。
揺り籠に揺れる宵闇の色。]
丁。
[花が何かに心奪われ。
根腐れ起こすなどよくあるお話。
“丁”も変わらず、その一人。]
[男は思い出していた。
あれはいつの頃だっただろう。
雨の日か、
或いは雪の日か、
或いは曇り、
或いは月夜、
覚えてなどいないが
蕾の色と同じ色をした
ぬるつく“紅”に濡れていた。
沈丁花の香など掻き消えて。
淀んだ空気が満ちていた。]
丁、飛べぬ花。
飛ばぬ花。
[数多、花を刈り取る命下しても。]
飛ぶことなど、赦しはしない。
[男が直に刈り取ったのは“丁”一人。]
[同じ名を持つ焔花。
それが蒲公英であるというのなら。
男は、
綿毛のひとつ、
籠から飛ぶを、
赦さない。]
[それはまだ、雨が止んだ頃であったか。
珍しく一階奥の部屋にて、蝶以外の来客が通された。
一輪の花の迎えに、醜い肉塊が現れた
金は払った!
何処へ隠した!
そんな風な叫び声が部屋中に響く刹那。]
知らないねえ。
花は、人でも犬でもなんでもない。
首輪もなければ自由に咲き、自由に枯れる。
あれは元々、根を張る花とは違ったのさ。
水面に揺れる、蓮の如く。
波間に浚われてしまったんだろうよ。
しかしだ。
そんなことはどうでもいい。
金は払ったというが、どうも勘定があわなくてねえ。
お客人、利子というものをご存知かな?
他から金を借りるということは、そういうことなのだよ。
払わずして消えた花の数年の利子、
払えるのなら全て揃えて頂こうか。
無くとも、払って頂こう。
言うだろう?
―――“人間外見じゃなく、中身だ”と。
[その後、その肉塊がどうなったか。
嗚呼さっぱりと覚えてなど居ない。
蛇から逃げ遂せたかもしれないし。
そうでないかも知れぬ。
今は揺り椅子に揺られ揺られて。
男は籠の中の
花の名を口にする。]
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