315 【La Mettrie〜存在という機械が止まる時】
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[もしもあの時 マーゴお姉ちゃんの背中を追いかけていたら。
ジャーディンさんが、最初の印象よりも ずっと話しやすいお兄ちゃんで なんであんなに必死に 赤いものばかり食べていたのかとか 聞けたんだろうけれど。
その機会は逃してしまったから 怖い人、の印象のままだ。
後で直接本人と話すか 誰かから聞くかしない限り。]*
(67) 2023/01/01(Sun) 21時頃
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──現在:フェルゼお兄ちゃんと──
[大きすぎる靴では、靴底が持ち上がり切らなくて 歩くたびにじゅ、じゅ、と土にこすれ 土煙がもやもやとなびく。
背後を振り返ってみれば さっきまでいた廃墟はもやの向こうに遠のいて マーゴお姉ちゃんの背中は、もう見えない。
フェルゼお兄ちゃんの斜め後ろを歩きながら おれは気づかれないように横目で見上げた。 きれいな顔立ちは、血の気が少ないせいか それともあんまり動かないせいか、 なんだかお人形さんみたい。]
(68) 2023/01/01(Sun) 21時半頃
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[そういえば、フェルゼお兄ちゃんは ラメトリーのことに詳しいけど おれはフェルゼお兄ちゃんのことを何も知らない。 質問をすれば答えてくれるけど それだって分かるような、分からないような つかみどころのない返事が多い。 かといって、はぐらかしている感じでもない。
正直に答えてくれている感じなのに 知りたいことからはずれている。 同じ言葉を使っているはずなのに どこかで意味が歪んでしまって、かみ合わない。 そんな居心地の悪さがある。]
(69) 2023/01/01(Sun) 21時半頃
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[会話が無いのが怖くなって、 フェルゼお兄ちゃんに話しかけた。]
ねぇ、フェルゼお兄ちゃんは ラメトリーに詳しいけど、 ここで生まれたの? こんなにきれいな水があるのに、 前から住んでいた人は どこにいっちゃったの?
[生えることを忘れた花が ふわふわと風の中を泳いでいた。]**
(70) 2023/01/01(Sun) 21時半頃
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[どうしようもなく 飢えている――]
――血を 飲めば紛れるけど 後はずぅっと 今も 『渇き』に苛まれてる
[寄生植物が宿主を生かし続ける限りは、永劫に]
(71) 2023/01/01(Sun) 22時半頃
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[一切の栄養摂取を絶って、寄生体ごと死のうとしたこともあったが、枯れ始めると衝動を制御できず何らかを口にしてしまう――先程のように。 寄生体は宿主を生かそうとするから、常人ならとっくに死んでおかしくない量の毒物が蓄積されても、この身体は動き続ける。
この永遠の責め苦から逃れる方法を探す旅路で、ラメトリーの『生命の導き』に辿り着いたのだ。 清らかな水と土壌には、汚染植物は生えてこない。 真に満たされるのは、寄生体が枯れ解放されること。 ――その時、宿主の肉体は?]
あンたらを 襲いはしねぇ ……と思うけど
[せめて一口、いや一舐め――幻夢の中の芳醇な味を思い出して、喉仏がひくりと上下する。]
(72) 2023/01/01(Sun) 22時半頃
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[人を美味そうな餌として認識し始めた頃から、忌避されるのを恐れ自分から遠ざけていたから。 軽口に微笑が返ってくる>>59と、つられて渇いた口元が綻んだ。 が、笑みのかたちになる前に、奥歯を噛む]
……気味悪くて 見たくないだろ
[焚火から離れたマーゴの気遣いに甘えて、自棄気味にシャツを引き下ろす。 はだけた右肩から背と上腕、胸元へと蔓延る蔦蔓紋様。 鎖骨の下では深紅の寄生根が小ぶりの心臓のように息づき、胸板に一つの蕾を結んでいた]
(73) 2023/01/01(Sun) 22時半頃
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[きつく絞って皺の寄った服を、焚火の上で勢いよく広げてみるが、ささやかな火勢では乾きそうもない]
シーツとか 羽織れるものねぇか 探してくる
[四阿を支える柱だったろう石塊にシャツをのせて、まだしも階層構造の残る廃墟の孤城を見上げた]
(74) 2023/01/01(Sun) 22時半頃
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ジャーディンは、また嚏をした*
2023/01/01(Sun) 22時半頃
掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2023/01/01(Sun) 22時半頃
フェルゼは、マリオがついてきたので、歩数は合わせます。
2023/01/01(Sun) 22時半頃
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>>70 [ラメトリーの出口に向かいながら、 歩数は、マリオに合わせて行く。
言葉をかけないのは、言葉をかけられないから。 しばらくは無言のまま、廃墟の街をただ進む]
はい?
[でも、マリオから声をかけられれば、 白い瞳見せて、後ろを歩くマリオを見やる]
その回答は、わりと、難しいですね。 でも、 答えるならば、私は、私を何度も繰り返して、 繰り返しすぎて、最初生まれたところは、忘れてしまった、に近しい。
[そんなまた、あやふやなことを答えつつ、 前方に何かを見とめると、一度、しゃがんだ]
(75) 2023/01/01(Sun) 23時頃
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あと、人がどこに行ってしまったのか、 それは、いろいろ原因があるようです。
例えば、ロイエさんは、先ほど、眠られました。 生命機能を止められた、と言ったほうがいいかもしれません。 だから、普通に見える肉体、 のち、 埋葬しようと思っています。
[そして、マリオに手を伸ばした]
エンジェルシイラが向こうにいます。 時々、人がいなくなる時、 エンジェルシイラが近くにいることもあるので、 キミは私の背中にのりませんか?
[マリオにそう申し出る。 エンジェルシイラは、大きいので、 巻き込まれて飛んでしまうかもしれないから]**
(76) 2023/01/01(Sun) 23時頃
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回想──ロイエのいる部屋へ──
[もう目覚めないかと思います>>16
フェルゼの言葉は、驚くほど冷静に聞いていた。 世界が今の様子になってから、 知人も友人も、雇い主を含めた屋敷の人間も 皆、それぞれの理由で旅立っていった。 道端の死体は珍しいものではなくなっていた。
それでも、つい先ほどまで顔を見ていた相手の 旅立ちには、思うところがあった。]
──、そう、か。
(77) 2023/01/01(Sun) 23時頃
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[せめて一言お別れを、とマーゴが言うとほぼ同時に>>35 自然と足が3階へと向かっていた。 フェルゼは別段止める様子もない。 確か3階までは安全、と言っていたかもしれない。 マーゴとジャーディンの話は 途中までは聞こえていた、かもしれない。 静かに、階段を上っていく。
──3階のそこは、殺風景で小さな部屋だった。 アンティークな天蓋付きのベッドがひとつ ぽつんと置いてある。 その白い寝床は、荒廃した世界の中においては ひどく清浄な空間にも思えた。]
(78) 2023/01/01(Sun) 23時半頃
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[その天蓋付きのベッドの中央で、 まるで眠るように、きちんとシーツをかけて ロイエは目を閉じていた。]
ロイエ……
[ラルフは心に神を持たないが、 ごく自然と目を閉じ、 何かに祈りを捧げるように胸で手を合わせた。]*
(79) 2023/01/01(Sun) 23時半頃
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現在──中庭──
[中庭に戻ると、庭園の方だろうか 奇妙な声が聞こえた。 奇形生物やエンジェルシイラのそれではなく おそらく人間の、成人男性の声──?
気にはなったが、それよりも、 途中から聞いていたマーゴとジャーディンの話の方に 意識を奪われていた。 が、何か口を挟むというわけではなく 黙って聞きながら、植物の毒見を始めていた。]
(80) 2023/01/01(Sun) 23時半頃
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[まずは匂いを嗅いで、刺激がなければ一舐め。 苦かったり極端に辛くなければ噛んでみる、 といった具合に慎重に確認していた。 そのうち、いくつかの植物は よくある野菜に似た味だと分かった。 マリオは小さいけど、野菜は大丈夫だろうか。
フェルゼとマリオはミタシュを探しに行ったきり まだ帰ってくる様子はない。 何を考えているか分からないフェルゼ。
しかし3階のベッドで、眠るように横たわるロイエは きちんとしたシーツに包まれ、衣服の乱れもなく とても大切に寝かされていた。 それだけで、フェルゼは信頼出来る奴だ、と 思うことが出来た──。]*
(81) 2023/01/02(Mon) 00時頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2023/01/02(Mon) 00時頃
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ラルフ、食べ物のことばかり考えている感
(-18) 2023/01/02(Mon) 00時頃
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