247 満天星躑躅の宵闇祭り
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2016/05/20(Fri) 01時半頃
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―道場前―
――ありがとうございました。
[セーラー服に身を包んだ少女は、門の前で一礼すると道場を後にする。 その動きに合わせてきっちりと編み込まれた三つ編みが揺れた。
肩にかかるのは黒い合皮製のスクールバッグと、 爪唐草模様に染め上げられた臙脂色の竹刀袋。]
(45) 2016/05/20(Fri) 03時頃
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[陽がゆっくりと沈んでゆくと共に西の空の茜色が段々と薄らぎ、深い藍色へと移り行く。
――黄昏時、或いは大禍時。 妖と逢うとも称されていたこの時間は、現代では人工の灯りに照らされて、随分と明るくなったものではあるが。 この世に暗闇が決して無くなる事がないように、妖と呼ばれる存在もまた存在していた。
密やかに妖怪を祓う事を生業とする者は、退魔師、と呼ばれる。 かつて、天より落ちた星の雨。 その中に紛れていた星を宿した者の血は連綿と続き、この少女にも受け継がれていた。]
(46) 2016/05/20(Fri) 03時頃
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―帰路―
[――しゃら しゃらり。]
…? 何だ?
[帰り道、鈴の音がしたような気がして、少女はふと、吊り目ぎみの双眸を眇める。
決して怒っているわけではないのだが、初対面できつい性格のように思われてしまう事は、 ほんの少しだけ、思春期の彼女の心を悩ませていた。 負けず嫌いで男勝りな言動がそれを補強してしまうのだが。]
(47) 2016/05/20(Fri) 03時頃
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[少女は怯えるでもなく、音のした方角へと歩みを進めていく。 子供の頃から親しんできた神社だ。 この時間には祈祷の受付はとっくに終わっている。 かといって、誰かが練習をしているという様子でもない。
此処を預かっているのは父と同年代の神主だ。 祭りには遠いし、新たに人を迎えたという話も聞かない。
‘――それでは、何故。’
そんな疑問が少女を突き動かしていた。]
(48) 2016/05/20(Fri) 03時頃
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…なんだ、これ――
[少女はぽかんと口を開ける。
神社の境内の一角にあってはならないもの――漆黒の‘洞ろ’が口を開けていた。 その暗闇の遥か遠くに見えるのは白い灯りか。 奥からは鈴の音に混じり、琵琶と思しき旋律が聞こえてくる。
此岸でも彼岸でもない、狭間へと誘う道であるとまでは分からないが、これが放置してはならないものであるという事は分かった。]
父さんに、いや、神主に言った方が早いか?
[修行の一環で小物を祓った事はあるが、まだ見習いの身である少女は逡巡する。 父は仕事に出掛けている筈だった。]
(49) 2016/05/20(Fri) 03時頃
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…少し、
少し、様子を見るだけだ。
[少女の中で勝ったのは、己は退魔師の見習いであるという矜持。
踵を返しかけた少女の足は、真っ直ぐに洞ろへと向かう。 僅かに疼いた星、誘うような音に挑むよう。*]
(50) 2016/05/20(Fri) 03時頃
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―神社・参道手前―
[暗闇の中に足を踏み入れ、何かの境を越えたような感覚を覚える。
気付けば宵闇に田舎と思われる景色が広がっていた。 遠目に見えるのは神社だろうか。]
何だ、これ
[それらは少女のよく知る景色ではない。 はたと我に返り、後ろを振り返っても既に虚ろは消えており、 それが元の場所に戻れない事を示していると知った少女は、己の軽率を恥じつつ舌打ちする。]
(51) 2016/05/20(Fri) 03時頃
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…くそ。
[少女は咄嗟に右肩に手をやり、スクールバッグと竹刀袋が確かな重みを伝えてきている事に一先ず安堵した。]
――取り敢えず、此処が何処か探らなければ。
[此処がどういった場所か分かれば、やがては帰る術にも辿り着く筈。
そう考えた少女は鈴と楽琵琶の音色のする神社へと続く参道へ進んでいった。]**
(52) 2016/05/20(Fri) 03時頃
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/* 妖にするか、他の能力持ちにするかめっちゃ悩みましたが、 自ら突っ込んでいく猪がーるになりまし、た。
天つ星シリーズの設定好きなんです。**
(-10) 2016/05/20(Fri) 03時頃
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─ 境内 ─
おとと、いらされませー。
[新たにやって来た者たち>>43に向けるのは笑み。 撥が四弦に当てられ、短い音色を紡ぎ出す]
んー、飼い主いうか、本体いうか。 まあ、こいつらは、俺から出てきたモンではあるが。
[問いかけに答えつつ、視線はタヌキの人形へ]
(ぁー……形はアレやけど、『銀』の眷属かぁ)
[『以前』のように、貪欲に喰らおうとする衝動はないものの。 相反する存在に、秘めた『闇』の本能が騒ぐのは已む無しと言う所。 それを紛らわせるように四弦を弾きながら]
(53) 2016/05/20(Fri) 10時頃
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んー、確かにこの世じゃあないやね。 けど、別にあの世でもない。
ここは、どこでもなく、いつでもない、文字通りの狭間の場所。
……ま、そんだけに、当の昔に死んだ奴とかも紛れ込んだりするらしいけどなぁ。
[表情の変化と落ちた言葉>>44にけらりと笑った後]
あー、いちお言うとくが、俺は死人じゃないからなぁ? ま、ひとかー、て言われると、さてなー、としか言えんけど。
[真面目な表情でこんな事をさらりと告げた。**]
(54) 2016/05/20(Fri) 10時頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2016/05/20(Fri) 10時頃
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─ 境内 ─
[奏でられる弦の音>>53。 鈴の音と共に聞こえていたのはこれかと青年は理解する]
本体?
『力の一部、なんやろ』
[疑問を繰り返す青年に対し、琥珀はしたり顔で呟いた。 視線を向けてくる様子には、へら、と笑う気配を乗せるが、人形なので表情は変わらない]
(55) 2016/05/20(Fri) 19時半頃
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力って?
『斎は受け継いでへんみたいやからピンときぃへんかもしれんけど。 まぁゆぅてまえば異能やな。 あれや、お前ん時代で言う、ふぁんたじー、っちゅーやつや』
……はぁ。
[琥珀の説明に青年は再びの生返事。 理解出来ない、と言うのが表情に出ていた]
(56) 2016/05/20(Fri) 19時半頃
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それはそうと、ここってなんなんだ? さっき屋台で目玉一つの奴を見たんだけど…。
[訳が分からないのは一旦置いて。 青年は今知りたいことを琵琶を持つ青年に問いかける]
あれって、妖怪ってやつなのか?
『そないな知識は持っとんのやな、お前』
[現状をいまいち理解しない割りに出てきた言葉を聞いて琥珀がてしりと突っ込んだ**]
(57) 2016/05/20(Fri) 19時半頃
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─ 境内 ─
[人形の表情は変わらないが、笑う気配>>55は伝わって。 青年はそれに、肩を軽く竦める仕種で応じる。 その後の様子に口を挟む事はなく。 問いが投げられたなら、緩い瞬きひとつして]
ん? ここはいろんなものの狭間にある、浮島みたいなもんやね。 だから、ひともおれば妖もおる。 生きてるもんもおれば、死んどるもんもおるかも知れん。
俺も、ここにいる全員の事知っとる訳やないからなぁ。 まあ、少なくとも、妖はふつーにおるで。
[こことか、と。 軽い口調で言いながら、撥で自分を指し示す様子は、妙に楽し気だった。*]
(58) 2016/05/20(Fri) 22時頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2016/05/20(Fri) 22時頃
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この世とあの世の境……か。 [全く、ただ屋敷を探っていただけなのに、とんでもない事に巻き込まれてしまった。 どうやら、死んだ者も此処に来るらしい。>>54 先程の呟いた言葉>>41を含んで考えるに、彼は数百年此処にいるという事となる。
目の前の青年が、人成らざるものかもしれない、と言われれば、アキは思い出すものがあった。 先程アキに近づいて来た、紅碧色の兎だった。 あれもまた、この世には、少なくともアキの住む世には存在しないものだった。]
さて、この世界がどういうものか。 それは大体知ることができた。 これから、どうしようか、と溜息をついた時。 ふと、近づいて来た更なる影。>>43 誰だろう、とその姿とやりとりを見ている。]
(59) 2016/05/20(Fri) 22時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2016/05/20(Fri) 22時半頃
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―参道―
[参道には屋台が立ち並び、其処で祭りが行われているらしい事が分かる。 少女は何の気なしに手前にあった屋台の主の顔を見て息を呑んだ。]
――な、
[愛想のいい笑みを向けたのは、青白い皮膚に鱗のある女だった。 口からは蛇を思わせる長い舌をちろちろと覗かせている。
辺りを見回せば妖だらけなのに気付き、少女の顔は強張る。]
(60) 2016/05/20(Fri) 22時半頃
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…っ…。
[少女は反射的に竹刀袋に伸ばして手を下ろす。 この中で争ったところで多勢に無勢である事は容易に察せられた。]
人間はいないのか。
[せめて事情の幾何かを知るモノがいるといいが、屋台にいる妖達よりはもう少し‘人らしい’相手がいい。
そんな思考を鈍らせるように鼻を擽るのは、魚介類の良く焼けた香り。 ――この状況で空腹を覚えるのは肝が据わっているのか、或いは図太いのか。 軽く頭を振ると、少女は奥へと進んでいく。]
(61) 2016/05/20(Fri) 22時半頃
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…何という花だったか。
[参道を歩く際、しばしば視界に入るのは釣鐘のような形をした白い花だった。
境内に幾つも植えられているらしきその花はどうやら盛りを迎えているようで。 風がないのに揺れる花弁が鈴の音の正体と気付けば目を瞠る。 やはり、此処は少女の知る世界ではないらしい。*]
(62) 2016/05/20(Fri) 23時頃
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妖怪……あやかし、か。
[>>57>>58耳に入った言葉を呟く。 アキは誠の方を向く。 誠もアキの方を向き。 アキと誠は見合う形になる。
誠にも、あやかしの力が入っていると聞く。 但し、それは呪いではない。 持ち主と自身を守る力である為、"守護"という言葉を使っている。]
人であるもの、人成らざるもの。 生きる者、死んだ者。 それが一同に会する祭り。
……つまり、そういうことか。
[アキは、確認するように2人を代わる代わる見つめた。]
(63) 2016/05/20(Fri) 23時頃
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―境内―
[其処には既に青年達がいたか。 どうやら己の求めていた‘人らしい’相手だと見ればそっと安堵しつつ。]
――こんばんは。
唐突に変な事を聞いて申し訳ないが、貴方達は此処の住民か?
[彼らに近付くにつれ、僅かに疼くような心地がするのに僅かに眉を寄せつつも、 真っ直ぐに彼らを見つめながら問うた。]
(64) 2016/05/20(Fri) 23時頃
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/* 黒か銀かで悩んだけど、もしお二人が元村関係なら黒の方がいい、かな。 と思いつつ、声掛け。 村建てさん多分2IDだよ、ね。 あまり負担は掛けないように…。
人が集まると良いですな。
(-11) 2016/05/20(Fri) 23時頃
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/* ん。 元村の明之進さんの力は守護じゃなかった気がするから違う、のかな?(´・ω・`)
(-12) 2016/05/20(Fri) 23時頃
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[その答を帰ってきた後だったか。 女の声>>64に、アキは振り向く。 その女は、見たところ人に見える。 見えるのだが。]
……こ、こんばんは。
[アキは、一瞬動揺する。 その理由は、ただ一つ。]
面白い着物……。
[その呟きは、聞こえるか否か。 そして、続く問いにいかんいかん、と振り払う様に首を横に振り。]
いや、此処にはつい先刻来た所。 ……貴方も?
[そう、問いかけて。]
(65) 2016/05/20(Fri) 23時頃
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─ 境内 ─
[この場で紡がれた言葉から、何事か悟ったらしき様子>>63に向けるのは楽し気な笑み。 弧を描く唇は否定も肯定も紡ぐ事はなく]
んー、住人……なぁ。 住み込みじゃあないが、常連といえば常連やねぇ、俺は。
[視線は、新たにやって来た少女>>64の方へと向く。 問いに軽く返しつつ、四弦から音色をひとつ、紡いで]
で、そう聞くお嬢は、どちらの御方で?
[こて、と首を傾いで問いを返す。*]
(66) 2016/05/20(Fri) 23時頃
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[声を掛ければ>>65年頃の近そうな青年が此方を向いた。 戸惑っているらしい事は分かったが彼の漏らした呟きは聞こえず、 首を横に振る様子を怪訝そうに見つめる。]
…あぁ、そうなのか。
あたしも同じだ。
[祭りに合わせての装いかと思ったが、どうやら違うらしい。 応じる声に少しばかり落胆が滲んだのは悟られるだろうか。 彼と共にいる人形には少し興味を引かれ、思わずじっと視線を向けた。]
(67) 2016/05/20(Fri) 23時半頃
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[>>66常連、と答えた銀の髪した青年はもう少し年上か。 彼を見て感じたのは妖の気配ともう一つ。 渇きにも似た疼きを感じさせるものよりも己に近しい力の気配。]
――それ、
[けれど奏でられた楽琵琶の音色に少女は目を瞬かせる。 洞ろから聞こえていたのは、恐らく‘それ’だろう。 常連である事も含め、何かしらの事情を知っていそうだと考える。]
…あたしは、羽澄灯里。 神社の境内におかしなものを見つけて、それを潜ったら此処に着いていた。
[青年に僅かに警戒しつつ、そんな風に言葉を返す姿は猫が威嚇する姿に似ていたか。]*
(68) 2016/05/20(Fri) 23時半頃
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─ 境内 ─
むむ…
[場所の説明や妖怪について>>58を聞いて、青年は理解しようと努める。 自分の中の常識では測れないことは傍らの琥珀が証明となっていたが、受け入れるとなるには少し時間を要した]
……そう言う場所だ、って思ってれば良い、ってことか。
『へぇ、あんさん妖なんか』
[撥で自分を示す相手に琥珀が納得するような声を上げる。 それを聞いて青年は、きょと、と瞳を瞬いた]
(69) 2016/05/20(Fri) 23時半頃
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は? アンタも?
『らしいで。 せや、名前ぐらい聞いとこかー。 わいは琥珀ゆうで』
[驚く青年を余所に、琥珀はしゅた、と前足を片方上げて名乗り上げた]
(70) 2016/05/20(Fri) 23時半頃
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