人狼議事

241 線路上の雪燕


重ね合せ猫のユニタリ変換 (村建て人)


鋭い音の狭間に、ちゅぴちゅぴと囀る様な音を
混ぜたような汽笛を鳴らすその蒸気機関車に
雪燕という名が付いたのは、それが初めて線路上を走ったほんの昔のことだった。

運行ルートの敷かれた南方の、質のいい石炭をたんと呑みながら噴く煙は
新入りの火夫が仕事を任された時だって、いつでも雪の様に真っ白なのだ。

地に鼓動の様な激しい振動を伝えつつ。
真っ黒なボディが煙霧を掻き分けて現れると、
7番ホームにはあちらこちらから温かなため息が広がった。

振動の間隔がゆっくりと、広くなっていく。
やがて車輪の軋む音が線路全体を振るわせて、雪燕は完全に静止し
己の到着を伝える様に、もう一度甲高い汽笛を鳴らした。

 

(#1) 2015/11/26(Thu) 23時頃


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