鋭い音の狭間に、ちゅぴちゅぴと囀る様な音を混ぜたような汽笛を鳴らすその蒸気機関車に雪燕という名が付いたのは、それが初めて線路上を走ったほんの昔のことだった。運行ルートの敷かれた南方の、質のいい石炭をたんと呑みながら噴く煙は新入りの火夫が仕事を任された時だって、いつでも雪の様に真っ白なのだ。地に鼓動の様な激しい振動を伝えつつ。真っ黒なボディが煙霧を掻き分けて現れると、7番ホームにはあちらこちらから温かなため息が広がった。振動の間隔がゆっくりと、広くなっていく。やがて車輪の軋む音が線路全体を振るわせて、雪燕は完全に静止し己の到着を伝える様に、もう一度甲高い汽笛を鳴らした。
(#1) 2015/11/26(Thu) 23時頃
sol・la
ななころび
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