― 黒忍者のお尻にペンタブ突っ込みたい>>*112 ―
[びく、と供物が跳ねた。甘い香に、青く濃い精のいきれが混じる]
…あわれな
[自らの放った穢れを浴び、白を散らした顔。
自らも香の毒気にあてられたかの眼差しでそれを見下ろし、低く押し潰した声は苦く吐く。
無意識にだろう、うねるような内壁の痙攣が止まる前に、男の指は素早く密書を抜き出した]
確かに受け取った
………口寂しいか?ならば代わりにこれを咥えておれ
[宝を抜かれた洞の門をしばし眺め、其処へ親指ほどの塊を押し込む。
香に練り混ぜて用いたと同じ幻薬を、練り木と合わせて丸薬にしたもの。腸内から直に取り込む濃度では完全に五感を狂わされ、現実と幻覚の境界を曖昧に薄れさせていく。
悪夢と感じるか極楽と錯誤するかは当人の心次第。
そうしておきながら男は牢の央を離れ、蜜蝋を融き油紙を剥がす。
思考は背後の淫猥な人形めいた贄から完全に離れ、怜悧な為政者のものとして巻物を一読し、思考を走らせた]
(*128) tayu 2015/01/14(Wed) 18時頃