[右手だけで済ませるから体力が続かない、とは視線での指摘。
性交と自慰を同列に語る時点で懸念はあったが、
良くこれで他者の中に逐情叶ったものである。>>*82]
――――…、……今後もしなくて良い。
[だが、あの余裕が削り取られた敗北宣言が、
誰かの鼓膜を震わせた可能性は苦味を伴い、咄嗟に声が出た。
喉に絡まる味わいは大人の矜持で呑み込み直し、
数秒のラグは御愛嬌の範疇。嫉妬の味なんて随分と久しい。]
……認知しないまま、私のゴシップになりたくはないだろう。
パパラッチに追われるよりは、余程マシな筈だ。
クリムゾンの名だけは、残してやろう。
[母体を気遣うのは腕と体温ばかり。
言葉は常のように彼を揶揄り、イニシアチブを取りたがる。>>*83
腹に残した子種に慰められて、硬い床を確かな歩みで踏む。]
(*91) momoten 2015/11/15(Sun) 16時頃