[滑り降りてきた掌に、湿ったままの、滾る雄を掴まれた。
刹那、その冷たさに硬く目を閉じる。
けれど腰の動きと連動するかのような愛撫を受ければ、零れる吐息とともに、またゆっくり瞼は開く。
その内側にある瞳の色に、深く穏やかな濃緑の面影などどこにもない。
あるのは、情欲宿した艶めく深紅。
人間に、死の予告をする時、デュラハンの瞳はこの色に染まる。
己の死期を報された人間を見るのは、最高の悦楽であり、興奮材料でもある。
それ以外で、瞳が深紅に染まるのは、こうして、深く情を交わしている時くらいであり、それはつまり興奮が最高潮に達しているということでもある。]
く、フ……ッ!
……ッ ぁ……、ア、 チーく、ん……ッ
[限界が近いことを訴えるよう、背を掴む指はまたパリッと微かな音をたてて彼の鱗を剥ぎ、唇は、止め処なく熱を吐き出す。]
ッぅ、……ァ、……ア
(*58) 2013/10/16(Wed) 11時半頃