―――…ああ、分かるか。
案外、気が乗った。君を妊孕させたい。
[義務的な終息に至る為ではなく、
手段はいつの間にか目的と摩り替わった。
此処から脱すると云う当初の目的は既に優先順位のランク外。
今は、この生意気で口の減らない末期患者を犯したい。
刺激に耐えて、熱い溜息を撒く彼に胤を刻みたい。
彼を孕ませ、血を分けた子と言う鎹で繋ぎたい。
自身の持つ、“特別”で、この子を騙してしまいたかった。>>*12]
いいや、赦す気はない。逃す気もない。
さっさと諦めていれば、手早く済ませてやったものをな。
―――…君は退き際を見誤った、キリー。
[挫いた指先を濡らす飛沫に、首筋が粟立ち、興奮が増す。
腹に飛び散った情欲は、勝敗を決する意味を持たず、
見出す価値は、彼が自身に欲情とした確かな証として。>>*13]
(*17) momoten 2015/11/14(Sat) 14時頃