―『華』娼館の一つ―
[『華』は執務室を持たない。
娼婦・男娼個々自身が”花”であり、それらを束ねたネットワークそのものが『華』。
エンブレムが特定の花の名前を持たぬ理由でもある。
稀に集まることがあれば、各所に散らばる娼館の雑務室や、客室を使う。
その一つに赴き、報告を受ける。
一つは、パピヨンの来訪と『華』内での被害の分布についての情報の依頼。
そしてもう一つは―――そこそこの大きさの蟲がかかったとの報告。
"杏"―――自白剤を使って聞き出したところによると案の定隣のシマのチームの男らしく]
そう、お疲れ様でした。
その情報の委細も含めて、御依頼の情報と共にパピヨン様に使いを出して下さい。
私が直接行っても良いのですが、あえて御気分を害すようなことをすることもないでしょう。
あの方自ら此処に足をお運びになったことすら、驚いておりますわ。
お上品な御婦人は、こういう場所は嫌悪されているようでしたし。
[何か用事があったのだろうか―――嫌悪感を押して程の。
少し考えて、報告とは別に腹を探りに行くのはも検討することにする。]
(@26) 2010/03/18(Thu) 10時頃