/* じゃあお詫びにいふ書く
―― if・華月に捧ぐ想い ――
[日向がやってくるずーっと前。
女は丘の上でぷかぷか煙管をふかしている華月を見るのが凄く好きだった。彼の煙はゆらゆらと彼の周りを纏わりながら、やがては蝶に、花になっていく]
(きれい…)
[華月自身もまた、整った顔立ちに柔らかい物腰で、着ている着物も鮮やかだったものだから、女はどこかの皇子様みたいだな、なんて思っていたりして。
そんな彼だから、洒落っ気のないがさつな自分は何だか気後れしてしまい、いつも遠くから見つめるだけで胸が一杯だった]
―――…もろてくれる?
[いつだったか差し出された可憐な花を、真っ赤になりながら貰えない!と突っぱねたこともあった]
(本当はとっても嬉しかったくせにねぇ…)
[日向にだけ向けられるその笑顔に、あの日あの花を受け取っていればと後悔したところで―――**]
(-103) kotsuma 2013/08/17(Sat) 02時半頃