[どうしたものか、と二人のやり取りを眺めている。
会議直後のテオドールとナユタのような口喧嘩ならさっさと置いていきもするのだが。
とかく、年若いとはいえ二人とも素直すぎる。
腹芸もそれなりに要求される帝都での業務も多い師団には向かない。
しかし、それを教える術もなく。自身もまだまだ身に付けたとは言い難い。仕方なく、明けかけた空を仰ぐ。
二人のやり取りが終わったようなら、再びナユタを促して病院へと向かう。自分で歩いて]
………テオドールにも言えることだが。
貴方たちは素直すぎる。
言葉ひとつひつつを真に受けて、私を庇うことなど、ないのだよ。
ああ、話しはというのは、会議直後の兵器だ、兵器ではないだ、の件だけどね。
私にしてみれば貴方方の言っていることは大差ないんだよ。
本人たちがどう言おうと、決めるのは受け手側だ。
どうせそうならば。
せめて、自分自身では、兵器ではなく意志ある一個の人間なのだと。
思っていて欲しいと思う、ナユタにも。
[元々情緒豊かとはいえぬ相手に、どれだけ伝わっただろうか。語る声に、昔馴染みを心配する様子くらいは、感じ取れたかもしれない。]
(425) 2011/03/23(Wed) 01時頃