― 屋上へ ―
[夕暮と屋上へ向かう道中、生徒が不安げに言い合うのに出会った。スマホを見ている。>>407
曰く、本物の花火が混じっているかも知れないと。
爆弾魔なら有り得るとか逃げなきゃとか、そんなことを言い合う生徒たちの人グループに顔を向け、]
柊木先輩はそんなことしないよ。
[無関係な人間をこれだけ巻き込んで騒がせるのも、らしくないけど。
とはいえ、誰でも彼でも物理的に傷つけるなど更にない。
だからそう、言い切ったけど。]
「どうして分かるんだよっ!!」
「もうヤダ、あの爆弾魔あたまおかしいんじゃない!?」
[ヒステリックに言い返されて、口を噤んだ。
更には先輩を罵る言葉まで聞いてしまって、口をへの字に曲げた。
ここで化学部部員ですと言ってみても意味はないし、むしろ余計に怒られるだけだろう。そのまま黙って屋上へ向かう。止める声はなかった。]
(418) 2022/09/08(Thu) 18時頃