[機械じみた声。緋《アカ》い転校生オスカー――否、《緋色の血海に沈む千界-ALLSCARLET-》、そう呼ばれていたのを聞いた覚えがある。
エフェドラの口ぶりからしてこれが本性、というわけではなかろうと、様子を見やるも。]
……、自己犠牲は気に喰わないな。
こいつでぶん殴って目を覚まさせてやってもいいなら、預かろう。
[逃げて、と口にしたのを、聞いた。
微かな声だった。風に吹き消されそうなそれは、だが確かに機械的な支配から逃れたもの。
捨て置けと言わんばかりのそれは、この場も、彼も、纏めて救うだけの力がないと思われたのと同義だ。
押し付けられた刀>>366。久方ぶりに手にする"武器"は、自分の手には余る。
了承も何も告げないが、代わりに軽く掲げ。
しかし、その瞬間に。
虚勢も意味を成さないほどの異能のエネルギー波が、強大な圧と風をこちらへ吹き付け――
止まる>>350。]
(381) 2014/04/07(Mon) 23時半頃