― 昼:桃園学園1F廊下 ―
[朝の朝礼でも言われた通り曾祖父はまだ起きない。
そしてマスターに対しても現在も尚、苛立ちはない。
だって曾祖父は相良に『危険な存在はいるが、共存できるかも』と話している。
相良は刺激が好きだ。だからすんなり理解する。
『危険なものと共にあろう』と望む事=危険と隣り合わせでもあるのだ。まして若林の口ぶりでは、それを望んで持ち掛けたのは曾祖父らしい。
───つまり曾祖父はマスター(クマ)と喧嘩をした。
相良は勘違いしていた。マスターがクマの妖怪と仮定していた。マスターが自分の店で喧嘩して店を多少壊しスマホを忘れたまま出掛け、自分の店に警察が来て店を閉めて、若菜も自分も儲けが減るらしい。]
狂ってんな〜、マスター。意外と。
[爆音と共にきらきらする花火を眺めながら、相良はしみじみと言った。思っていた人物と違って面白かった。*]
(363) 2022/09/08(Thu) 12時半頃