[昼前、男が一方的に押し付けた再会の約束と共に戯れていた白猫は、今や何処かに姿を晦ましてしまった>>325
鳥と、猫。全く異なる存在であるというのに、ただ白いというだけで胸に過る焦燥感は何なのか。
男は心中で言い知れぬ圧迫感に唇を引き結ぶが、すぐに目元を和らげる。杞憂だろう、と。理由を付けて。]
お使いに?そういえば今日こそ花屋に迎えたのかい?
ひとりじゃ大変そうなら送っていってあげようか。それこそお巡りさんのようにね。
[見下ろす瞳は相変わらず何処か険を帯びているような気がしつつも見ないふりを。
けれど彼女の唇が紡ぐお使いには、男は閉口して。]
――そう。濡れなかったのなら良かった。女の子は身体を冷やしてはいけないというから。
彼女に手紙を? …彼女は素敵な人だよ、言葉通り。 君が、彼女に何を綴るのか、楽しみだね!
[珍しく辿々しい口調には、何処か硬いものが見え隠れしていたかもしれない。感情を押し殺したようなそれ。その違和感に彼女が気付くかは分からない。]
(330) 2014/10/09(Thu) 00時半頃