[まだ渇きを覚えていないという言葉に安堵の息を漏らし、好奇心には殺されるな、とだけ釘を刺した。
問い>>315に応じているうちに、漸く常の調子が戻ってくる。床に落ちた紙箱を改めて拾い上げた]
……ああ、きっとそうだ。
[胸の疼きがなければ忘却に気付かぬ程だ、ここまでの者はクラン内にもそう居ないだろう。今となっては日記のために筆を執る事はないから正確に答える事は出来ないが。
実際、意識しているよりも遙かに多くが抜け落ちていて、地続きの思考は殆ど出来ていない。触れてようやく思い出す事柄が大半を占めてしまっている。昨日干した着物の事も裏庭に行くまで思い出さないだろう]
[着物を洗った理由についても、布地の感触を引き金にしてあの日の温度が甦る程度。きっとケイイチを呼びつけた事も、交わした言葉も思い出せない]
(321) 2014/12/29(Mon) 23時頃