……っ、くく。
そうか…、あぁそうだな。確かに"泣いて"しまいそうだよ。
しかしそれは面白い事を聞いた。
もしも私が何処かで不思議な小瓶でも手に入れたのなら、是非とも君に見せに来たいものだ。
[握った拳を口元に当て、肩を震わせ目を逸らし。深まるチェシャ猫の笑みに呼応するように一頻り笑い終えたのなら、彼の"来た"方向の話に小さく眉を持ち上げた。]
( ……"イタリア"、だと? )
[聞こえてきたのは聞き慣れた地名。男の故郷からそう遠くは無いその隣国の名は、普段聞くのであれば至極"真っ当"な答えだろう。
しかし、余りにも馴染みの深いその国の名は。この不思議な世界の中では、何よりも"異質"なものに聞こえた。
……てっきり、聞いた事も無い出鱈目な幻想世界の地名でも出て来る物だと思っていたんたがな、と。
そんな言葉は口には出さず、"イタリア"についてもそれ以上は追及はせずに。
唯々腕を組み愛想笑いを浮かべながら、次なるチェシャ猫の提案>>289に耳を傾ける。]
(319) 2015/06/19(Fri) 22時半頃