………………ぐ、
[喉を落ちたそれが、胃の中でぐるぐると渦巻くような感覚。
燃えるように熱いと同時に、凍てつくように冷たい。
手にした杯を押し付けるように逢魔が時へ返す。
今にもせり上がりそうになるそれを、顎を引き、喉を狭めて収めたままに保とうとする。]
………ふ、………ッ……、…………
[警鐘のような目眩。全身から嫌な汗が吹き出る。
あらゆる音が遠ざかっていき、荒れる鼓動と、己の浅く苦しげな呼吸音ばかりが耳につく。
それでも片手で口元を覆い、もう一方の手は胃の辺りへ宛がって。
背を丸め、息を堪え、懸命に苦痛をやり過ごそうとする。
それでも五感の軋みにふらつく身体を支えきれず、膝を付いたとき。
胃の腑の温度が一段と、高まり、冷えて。
身体の内側がうねる。
そのまま、あらゆる意思も努力も押し退けて、異物を押し出した。]
(297) sleepingxalice 2022/09/22(Thu) 15時半頃