[口端の跳ねる猫の笑みに、一度眼差しは狭まった。]
……だが、貴公の報告が真なるものとはまだ知れぬな。
ああ、無論偽りを述べている、というのではない。
第3師団は、まだ何も掴んでおらぬといったな。
情報というものは確実性が求められる。
裏も取れておらん以上、それを元に判断を下すつもりはない。
ましてや協定破棄などと、あちらにとっても多大なる犠牲が伴うものだ。もちろんそれはわが国にとっても同じ。危惧があるそれを理由に協定破棄に至った上で、仮に第6師団より諜報になんらかの齟齬が含まれていた場合、誤解でしたすみませんではすまされん。
[男の告げる言葉がどこまで真意があるか、
どこまで本音であるかそれは図れぬものであろう]
国家命運を左右する事態においては、十分な慎重性が求められる、選帝もまた同じだ。目先の情報だけに踊らされはせんよ。
見立てが甘いというのなら、その通りだな。
[それを肯定すれど、その抑制の効いた言葉に貶める意図はなく。切り上げた後、>>263の問いは発せられたか]
(295) 2011/03/26(Sat) 02時頃