…俺の能力は、知っているだろう?
[ディーンから返る言葉>>263に、一度組んだ指をゆるりと解いた。
暫しの沈黙の後、一つ吐息を落として。
…漸く開いた言葉は、聊か唐突だったか。]
一言で言うなら、暗示を……もっと強力にした感じかな。
――本当に見た筈の人を、別人に誤認させたりするなんて訳無い。
…背格好が似通っていたなら、尚更ね。
[今行われている会議で、交わされている内容の肯定。
…勿論、己とハッセ師団長の背格好は似通っているとは言い難い。
成れば、自分だけでは無いと。…言葉裏に含めている事に、彼ならば気付くだろう。]
…其れを応用すれば、対象自身を「別人」だと思いこませる事も出来る訳だ。
例えば君を――ユ・シハ師団長自身だと、暗示を掛けて思いこませると言えば、解り易いか?
[ディーンとミケを交互に指差し、勿論、喩え話だとそう付け足した。
そう簡単に出来る事ではない。幾ら思いこませても、本物が実在する限り上書きされた記憶は破綻する。]
(291) 2011/03/26(Sat) 02時頃