[引っ張られたシャツの隙間から、小さな爪痕が見えた>>244ことには、気づかない振りを決め込んだ。
晒された肩口。いっそ、かぷりとしてみようかしらなんて考えが頭を過ぎったけれど、やめておく。
これ以上戯れにでも触れ合えば、止まれなくなりそうで]
そんなこと、ないと思うわ?
美味しいんじゃないかしら。
[美味しくないという主張>>245には、そんな言葉を返す]
でも、やめておくわ。
私のお腹の中のあなたは、きっと歌ってはくれないもの。
[それは困るわ、と首を傾げてみせれば、私のものではない羽音がして。
ああ、そうだ。二人きりではなかったのだった。
言っては駄目と私が釘を刺してから>>19、ずっとおとなしくしていたフィリップの兄に]
喋ってもいいけれど。
昨日の夜のことは、秘密にしておいてほしいわ。
[そんなお願いをしたけれど、フィリップの頭に着地することに忙しい彼の兄に、そのお願いは聞き届けられたか、どうか]
(252) 2015/07/14(Tue) 01時頃