[四つ目の「隠し事」がないかと思って部屋を更に探していると、屑篭の中に捨てられている折り紙が目に入った。
くしゃくしゃに成ってしまっているが、赤を基調とした和紙で折られた其れは紅い薔薇を模しているように見える。
ヒューに掃除をしてもらった時に壊されてしまった物だ。此れは滅多に手に入らないほど高価な紙で折ったのだった。
もしも此れの裏側に何か記してあるとしたら其処にはあっしにとって最も忘れたく無い事が書いてあるのではないか…?
あっしは屑篭から其れを取り出して解いた。]
あっ、嘘!
[その内容を見るなりあっしは叫んで其の折り紙をくしゃくしゃに丸めて、屑篭に放り捨てて仕舞った。]
な、何にも書かれて無いごみだったよ!
[じぇれみにそう伝えるあっしの顔は赤い。
冗談じゃない、あの紙くずに書かれていた内容を読み上げたら主様向けに吐いた嘘が真実になってしまう。
だってこう書かれていたんだもの。
「絶対に忘れてはならない事:あっしは美しい金の長髪を靡かせる彼のことが愛しいって事。」
**]
(252) 2014/12/29(Mon) 00時半頃