― カフェ 店内 ―
[まるで含みのあるようにさえ聞こえた返事>>229は、白ウサギに意識を奪われていつの間にか頭から消えてしまった。白に、赤に。ちかちかとした感覚さえ持たせながら過ぎ去って行った彼らは、一体どこへ行くんだろう。自分とは違いマトモに現実に向き合う彼から何かあったのかと、兎の背中を見て告げられた事>>230にはただ首を傾げて返し。自分はアリスでも、何でもないと解っているから、あの背を追いかけることさえ出来なかったけれど。
そうしてそんな自分に嫌気さえ心の底でちくちくと刺しながら、振り返ったチェシャ猫には、ついで投げられた疑問には迷いも無く頷いたのだったか。
学生は過ぎた事柄に思いを巡らしながら、店内に飾られたメニューへ目を通し、未だ手が繋がれていたのなら、そのメニューの前、自分の隣へ殊更引き寄せ、繋がれていなかったのならちょいちょいと手を招いてみたことでしょう。]
(244) 2014/10/04(Sat) 03時頃