[変わらず嬉しげな相手>>206に、心の中で頭を抱えた。彼がもっと堅物だったら、日常だと安心出来たのに。と失礼もついでに流しつつ。
首を傾げられれば、鼻先をマフラーから離さずに首を振って。"なんでもない"と話を再開させた。]
――まだ、倒れてない …… って、え
[先生みたい。立てられた人差し指を眺めるうちに、昨日の優しい手付きを思い出せば、埋まったままの口元が弧を描き――。
続いた言葉に、間の抜けた声を零した。]
………… 吉サンって、マイペース?
――食べたい、って俺が言ったら…どうするの。
[一瞬、丸くなった目は、直ぐに固さを伴って細められる。
自然と半端に成ってしまっていた敬語は、…少しだけ、年上への敬意のようなものと一緒に抜け落ちて。戸惑いの滲んだ声色が、空気を揺らした。
…食べてるならいいけど。
[思い出したかのように続けられた小さな返事は、相手に届いただろうか。]
(218) 2014/10/04(Sat) 01時頃