[イアンの額にうっすらと汗が滲むのは、薬物の入ったワインをカルヴィナよりも多く飲んだ所為だろうか。それとも今まで言われた言葉で、何か暗示の罠の様なものに嵌ってしまった所為なのか。]
>>203
抑えてる さ。
酔ったら、まずあんたを襲う。
あの娘(カルヴィナ)に、優しくなんて出来ない。
[口元は笑ったまま、早口で言った。
手が触れるかわり、ダンッと強くテーブルに叩き付けられる拳。マーゴが席に付く間、イアンの周囲の空気は苛立ちに熱くなる。ギラギラとした目をしていた。]
あの娘も、あんたも
良い所の良い娘──だろう。そもそもは。
希望を乗せるのに相応しい相手じゃない事を露呈しないように、必死なんだぜ。
[見るのならばカラダだけにしてくれれば楽だ。控え室でカルヴィナに破廉恥だと言われても、平気で着替えが出来たように。イアンは一度、沈黙して、シャツの襟元を大きくはだける。──熱い。じんわりとした熱は、意図的に解放していなかったのもあって、簡単に燻るようになって来ている事が分かる。]
(211) 2010/04/07(Wed) 02時頃