でも、出会えたことが、事実なんですから。
まどかさんは、それがとても――嬉しいですよ。
[嬉しいのに悲しい。だから複雑な声色になってしまう。>>194
きっと先程抱いた謝罪は、
せんぱいと自分自身に向けた言葉なんだろう]
こんな、大人になって……ごめんなさい……
[そう呟いたとき、せんぱいの手が伸び
肩を掴む手は少し強引にも感じた。>>195
それを拒んだり、しない。 ほんとうは、ほんとうは]
っ、う……ぅぁあ、――!
[こうして、せんぱいの胸で泣きたかったから。
泣きじゃくって、それから、絞り出すような声を漏らす。
苦しい思い、さみしい思い、あれから10年も経ったのに]
せんぱいのせいです、まどかはずっとせんぱいのことを忘れられなかった、だから……だから新しい恋なんかしなかったんです。でも、寂しすぎて一人がつらくてっ……ごめんなさい……!
(196) 2015/12/18(Fri) 17時頃