[ぱたぱたと近寄って行くと、少しでも怖がらせないように。と考えてくれたのか、しゃがみ込む少年の姿>>189
大きく見えることにはかわりがなかったけれど、優しい気持ちは伝わって]
あ……!あさがおのふうせんだー。
ふたごのおにーちゃんが、つかまえてくれたの?
[きゃっきゃっとはしゃいだ声を上げ、彼の胸の辺りに掲げられた風船を指差す。
どんどん遠くに逃げて行った、赤い風船。
慌てて追いかけたけど、お兄ちゃんを連れてきてくれたのかな。なんて思いながら。]
うん。ふたごのおにーちゃんもいっしょに、あさがおのおへやにいこ?
[夢中で風船を追いかけていたから、いつの間にか病室からだいぶ離れていた。
誰も来なかったらきっと、自分一人じゃ部屋には戻れなかった。なんて今になって少しだけ不安になって。
差し出された手を離さないように、両手でぎゅっと握る。]
あさがおのおへやでいっしょにあそんでくれる?
ふうせんとおりがみ、いっぱいかってきたの。
[飛び跳ねるように歩きながら問いかけた]
(193) 2014/06/26(Thu) 20時半頃