[早川さんの部屋を後にしたあたしは、リビングを素通りして洗面所へと向かう。
そこで一旦顔を洗って、崩れた化粧も落としてしまい。
顔を拭えば行く分さっぱりした気分になる。
早川さんは、父親の立場から、あたしが欲しかった答えをくれた。
優しく頭に乗せられた手に、勇気づけられる気がした。
少し瞼の腫れた顔をそのままに、リビングへと戻れば先輩の姿。
あたしの後から追い出されたのかしら。
その先輩に歩み寄り、唐突に話を振る。]
先輩が、何考えてんだかわかんないけど、あたしは伝言なんか受け付けない。
自分で答えを返して。
人に託すなんてのは、ずるいよ。
[ずい、と詰め寄るようにして言えば、先輩はどんな反応を返してきたことだろう。
話はそこで終わったかもしれないし、続いたかもしれないが、先輩が立ち去ったのを見届けてから、あたしはリビングに会ったテレビのリモコンを取り上げた。]
(188) 2014/03/22(Sat) 01時頃