(センセったら…本当に…仕事熱心ね…
ま、そんな所が…素敵なのだけれど…)
[てきぱきと診察を始める>>173医師に心強さを感じる。
プロ意識の高い彼の事だ。いつもの様に赤くなる事は、今は無いのだろう。
最も自分もある筋のプロなのだけど。]
(…少し、自信なくしちゃうかしら…ね)
[そんな下らない事を胸に浮かべつつ、言われるが侭にその背中に体を預ける。何時もなら擽ったり、息を吹きかけたりして遊べる絶好のチャンスだろう。だけど今はそんな余裕はなく。
あまり頼り甲斐のあるように思えなかったその背中は案外広く、彼女の不安を受け止めるには充分だった。
こんな間近で彼の体温を感じられるチャンスはもう無いかもしれない。いや、こんな形で訪れるのなら不本意だと、その思いを胸の奥に仕舞う
背中の揺れを感じながら、その歩みに身を任せる。
このまま運ばれるのは処置室だろうか。
彼の背中と、処置室のベッド。どちらが心地良いだろう?
普段なら歓喜するこの場面、彼女は早く重力から解放されたく。
そんな事を考えた]
(176) 2014/06/26(Thu) 16時頃