――1F・トイレ前――
[袋小路に迷い込んだ気分だ。
トイレを出てから左手は先程の叫び声がした、階段が向かい合わせだとすれば、そんなところを悠長に通り過ぎる勇気はない。かと言って、ホールに面した階段は吹き抜けとも接していて、目立ちすぎるんじゃないか。上に人がいれば一刻アウトだと、左右を見回して―――]
……ッッ!!
[不意に現れた男の姿に小さく息を呑む。>>158
いっ、と歯を見せて、銃を持っていない左手の人差し指を口元に当て、静かに、と示したのは本当に無意識だった。悲鳴が聞こえた方に行ってはいけない、と、相手にも示そうとする。]
……、 、
[階段を駆け上がるような足音に>>161、一寸緊張の色を瞳に灯しながら、口元に当てた人差し指は、所在なさげに彷徨う。
今は人の死ぬ気配が濃すぎて逆に、現れた男に殺気を放つことはない。]
(167) 2014/06/23(Mon) 21時頃