……月は誰にでも優しいから。
[――それはまるで、幼子の対抗心を露わにしたもの。
睨む様にそちらを見詰めたならば、直ぐに逸らしては目前に揺蕩う蝶へと視線を落とし。
その射干玉の毛先から布がするりと抜けたならば、震えを抑えた声色で「出来たよ」と。…花に終わりを告げた。]
ねえ、キミ達って普段、何してるの。
[そうしてまたも紡がれるは、花の事。
空気を変えるかの様にまた、話題をすり替え。
その布団にごろりと寝転がったのならば、頬杖をついては丸窓を見上げて。また坐る花へと視線を移せば、ぽんぽんと先の通り自分の横を無言で叩く。]
キミはさあ、さっき中庭を手入れしてたみたいだけど。
…秋の花、なのかな。綺麗だけど、色彩が眩しかったよ。
[記憶を思い巡らしながら、視線を牢の床へと移し。
脳裏を彩る花々を思い出しながら、再び唄う]
(165) 2014/09/18(Thu) 23時頃