……なるほど。
院長やヴァレリー先生とも、相談してみます。こればかりは僕だけの判断で決められませんから。
[彼女の言葉>>163に頷いて相槌を打ちながら、胸ポケットから取り出したメモ帳にペンを滑らせて、簡易的な覚え書きを作る。
医師としてはまだ駆け出しの自分が、ここで安易に決めることはできない。回診の結果とも合わせて、後で誰かに相談しようと心に留めた。]
……そう、ですね。
すみません、僕には何とも…
[そこで請うように寄せられた身に、メモを置いて、薄く眉を下げる。
"痛みが欲しい"と、そんな願いを持つ人間もなかなか居ないだろう。その痛みの一欠片も察してやれないことに医師として不甲斐なさを覚えながら、視線を下げて彷徨わせて。
――そこで、彼女の左手は目に入っただろうか。
そういえば彼女は自傷に走るきらいがあると、経緯報告にはそう書かれていたはずだ。どのみち回診で解ることだろうけれど、無意識のうちに、ブレスレットに覆われた手首をひたと見つめた。]
(164) 2014/06/22(Sun) 05時半頃