――第1棟廊下→――
( …人質、とかいるかな。 )
[ 白亜に不釣り合いにあたえられた“おしえ”に、なじみの亀に、声に。“そと”への乞いは、「満腹」にならない腹の虫の鳴き声と同じよう、留まることなく。
勿論、手段上でほかを死なせるどころか、傷つけるつもりも毛頭ない。動きや音に過敏すぎる器官には、過程、ひとに大人しくしてもらうことも必要だろう。
『処分』と、少なくない可能性を持つ己には、一応の防衛策にもなる。“管理者”に協力も期待できない以上。実際錯乱するよりは、と、思いつつ。
――そんな手をとることにならないといい、と。面体の下、考えを巡らせながら。
文字をしるため、幾度かかよった図書室。
――あそこなら、地図やらの類いもあるかもしれないと。昨日>>24のそれを確かめようと、自室から足を踏み出した。
ひと目を憚る歩みで、近場の第1図書室へと向かうがてら、誰かとすれ違うこともあったろうか。]
(160) 2015/07/13(Mon) 10時頃