[手を重ねた時の視線>>137の意図に男は気付かない。何処かおどおどしたような言葉と態度を男は少しの時間内ではあったが数度目にしていた。
公園にて一人口遊んでいた彼女の声色は何とも楽しげでその落差に男は小さく相槌を打つ。]
そうかな。君とは気が合いそうだ。また茶会でもしてみる?ちょうど僕は帽子をかぶっているからね。真似事さ。
どんな人、か。彼もこの街に住んでいるよ。毎日きっかり決まられた時間に同じことを繰り返すつまらない男さ。
[誰かを語る口振りは抑揚を付けて大仰に。「その内会えるよ」なんて不確かな言葉を捧げる。
その後は、
「ああ、さっきの飲み物は炭酸か。あまり飲まないものだから気付かなかったよ!」
「僕ならそこにミルクも足すね。色がコロコロ変わるのが楽しいんじゃないか。」
なんて。“意外”には、目元を和らげるだけ。
口々に嫌いだと主張する唇。緊張が和らいだようにも見える頬に人知れず意地の悪い笑みを浮かべて隠すようにフードをかぶり直した。]
(158) 2014/10/01(Wed) 21時半頃