[どうやら男が出て来たという事実は、郵便配達の少女を酷く驚かせてしまったようだ。
微かに震えた声に、何処か引き攣ったように見える笑顔>>114。
自分は果たして、そんなにも驚かせる事をしただろうか、などと思いながらも、男は返された挨拶には小さく口だけで微笑んでは見せたけれど。
まさか自分の家の事が、鳩時計に見立てたかのような渾名を付けられているなんて露知らず。此方の"挑発"に目を丸くした彼女の様子を、扉に背を預けたままじっと見つめた。]
……あぁ、君じゃ無かったのか。
それは失敬、どうや私の早とちりだったようだ。
なら、謝らなければいけないな。
[しかし、彼女の返答>>115にはピクリと眉を小さく持ち上げ、手にしたサボテンを思案するように口元へと当てる。
揺れる視線や口篭る様子から、きっと彼女だとは思うのだけれど。しかしシラを切られてしまっては、只々問い詰めるのも気が引ける。]
(145) 2014/10/01(Wed) 20時半頃