甘党、なら。コーヒー…苦いままで。平気、です?
[マグに口を付け、文字通りの『苦笑い』をした隣人に首を傾げ。
机の片隅にあった調味料群に伸ばしていた手を、砂糖の辺りに彷徨わせるが。とん、と置いた]
……その、僕はあまり、食欲無く、て。
内臓が…結構、お花畑なんです。
[食事量の事を問われれば、巌の様な肩を竦め、キューブを突いて情けなく薄い笑みを浮かべ。
名前の書かれた辺りの腹を緩く、緩く撫でてみせる。
急激に侵された割には、欠損や衰弱の無い身体。
それは外見だけの話、きっと丁寧に半分に開いたらヒトガタの花壇になるのだろう。
廊下でくしゃみをした時にずり落ちたタオルは、被り直したつもりで然程顔が隠れていなかった事に気付くが
柔らかい笑みを浮かべた男の態度はリラックスしている様で。
気にし過ぎだった、かな。と被っていたタオルをそのまま首へかけ。
器用にくるり、くるりと遊ぶフォークにも目は行かず、
どうしても瞳孔は無くなった左腕に吸い寄せられ、自分も見られている、という事には気付かない。]
(144) 2014/09/04(Thu) 23時頃