― 地下街 ―
ああ、その…悪いとは思ったんだけど、話を聞かせてもらってました。
[御巫と荒川にぺこりと謝り、それから御巫を見る。]
理を定めろだとか、世界の新しい形を作れだとか、そんなことを僕らは要求されているみたいだけど、たとえ誰かが「新しい世界に相応しい《理》」を見つけたと言ったって、結局それはその人の《エゴ》だとしか思えないんだ。
それでも…新しい世界を作らなければいけないなら、僕たちの誰かがそれを決めなくちゃいけないなら。
みんなが主張する《エゴ》を切り払って取り除いて、その下に隠されている本当の《理》を見極めなくちゃいけないと思う。
みんなが求めるものを、本当の意味で手に入れられるような。
君や、その刀が探すものは、そうやって見つけだすんじゃないかなぁ。
…ん。なんとなく、そう思ったってだけだけど。
[照れ隠しにお説教めいた話をして、柄にもないことをした、と、さらに赤くなって小さくなる。]
(144) 2010/06/04(Fri) 12時半頃