[ ねむい。 いたい。 ねむい。
つぶれた血管からだくだく漏れ出た血が机の上に溜まって汚した。
痛くて眠くてしょうがないから脱力じみた動きで腰を丸めて机に突っ伏す。
額にひたと濡れた感触があったけどそんなことはどうでもいいや。
ちら、と瞳を動かすと横目に穴の開いた服の隙間から覗く抉れた肌が見えたけど、正直ぐちゃぐちゃで何がなんだかよく分からなかった。傷口って結構血の色に紛れていつもよく見えないってのが感想。遮る布地がなければもうちょっとグロ画像なのかもしんないけど。
結局消えなかった幻覚は色覚を幾らか狂わせて、赤い色の端々に淀みや鮮やかさを見せてそれが全部どろりと混ざった。
面白くもなんともないそれをただ亡羊を眺めてる。
ぐるぐると不規則に渦巻く色が深度を増して、そこに机があるのを知らないかのように。何処かに吸い込まれるように、とろとろと流れてく。そう見えてる。見えてるだけ。
実際には目の前はそんな景色ではないことはわかってる。
わかってるつもりだ。多分。
分かってなくちゃ、ダメだろ。]
(141) 2014/06/26(Thu) 05時半頃