─ 朝:天獄学園、教室前/黒衣が去る前─
[吠えた声は、近くに居る生徒たちにも聞こえるものだ>>50。それで熱くなった青年は、増えた一般生徒には見えない二人の姿と、威圧に遅れて気づいた>>48。
酸っぱいトマトに思い切りかぶりついてしまったように、青年の口が長方形になった。]
…げえっ、 、!
[呼びかけそうになった、本来の名前は、喉からは出ない。完全に受肉している青年と違って、よく躾けられているように、身を隠している相手の名前を零すようなことはない。──いや、正しくは、実際に躾けられている。『味方』の不利になるようなことはなるべくしないように。]
ぐうううううううう……………!
くっ 屈辱だ……
[ただ、その利便性や機能性と、当人の好悪の感情は別だった。主人はたったひとりでいいのに、反射で命令をきいてしまう自分が忌々しい。]
(138) 2020/01/06(Mon) 00時頃