ぃやだ、やだ、やめ……!
[より深くを目指す切っ先に悲鳴をあげる。彼の言葉自体は聞こえているけれど、それを思考する余裕等無かった。(恐らく、後で思い出して酷く怯える事になるのだろうけれど)
いっそ許しを乞えばこの場を抜け出せるのか。そんな思考が過ぎったけれど、かといってそれを口に出すくらいなら死んだ方がマシだ。
喉元まで垂れた血に、嗚呼また服が汚れてしまう、なんて。場違いな事を考えて。結局はされるがままに肉を抉られる。
目の前に近付いてきた彼の顔に、その晒された首筋に。噛み付いてやろうか等と考えるものの、この体制でそれが実行出来るわけも無い]
こ、ろして、やる……!
[殺してやる。
既に傷など構う事無く、魘される様にそう繰り返す。そうして震える左手を彼の首筋に当てて、精一杯の力を込めた。勿論その掌に、彼を殺すだけの力が込められるわけも無いが]
(136) 2014/06/29(Sun) 00時半頃