[熱っぽく、憧れの狩人についてをヒューが語る。>>107
こくこくと何度も頷いた。]
そうでしたの……
憧れのひとを目指して努力なさってきたんですのね。
[そこには才能の話が少しも登場しなかったことに、スージーは僅かに安堵する。
けれど、ヒューが悪戯っぽい笑みをうかべると、ギクリとして、]
……。 そ、そうですわね。
[彼女はそっと目を逸らす。
スージーは専攻するコースに迷い続けていた。やりたい事が多すぎるのではない。
人狼事件の解決と密接に関わりあってきたマリーゴールド家の跡取り娘として『才能がない』では、親に、いいや、マリーゴールド家全体、先祖にまでも、あわせる顔が無い。
それがずっしりとのしかかり、スージーは、未だ己の適正が分からない事を不安に感じていた。
無意識に耳たぶから下がった祖母の形見を指先で弄ぶ。]
(122) 2014/03/05(Wed) 20時頃