―大学→商店街―
[今にも降り出しそうな曇天とは対象的に上機嫌で歌いながら歩く。
時折、液晶の画面を開いて掲示板に遅い返事をしたためながら。
歌声に混ざる聞き覚えのある声>>115に、歌声はだんだんと小さくなる。
いよいよ此方に近づく馴染みの話し相手である少年が視界に収まれば、囀っていた口をはくりと閉じた。
そして思い込んだ。私は歌など歌ってなかった、と。]
こんにちはシメオン君、昨日ぶり。
[相手の表情は常の通りに笑みを讃えていただろうか。
照れ隠しに…もぎこちなく笑って見せた。]
……そういえば今日は学校じゃないの?まさか学校までの道中で迷子になったなんてことはないでしょう?
[挨拶代わりの軽い冗談。
ああ彼には学校のこと、赤い頭巾の男のこと、時計の家のこと––––––掲示板の噂のこと。
時間が許す限り話してみよう。]
(121) 2014/10/05(Sun) 18時頃