[常に照明されている白い部屋はやがて日数感覚も狂わせてゆき、リノリウムの床を掻く爪は剥がれて不規則な紅い線を描く
叫ぶ。喚く。泣く。けたたましく笑う。一頻り遣り尽くして、呆然と部屋の隅で座り続けていた頃。
漸く、人の目には見えぬ、仄緑の奔流が視えた
翌日とその翌日、殺さずに返した栗鼠を見て、漸く外へと出される。
その姿はやつれてはいたが―――自己治癒させた剥がれた爪も、掻きむしった髪も入る前と同様綺麗なもので。
監視していた者以外は、少女が正気でやり遂げたのだと勘違いするほどに。
研究者に対し、淡々と応答した。]
…集計したことは、ありませんね。
調べたところで、意味があるとは思えません。
[一度は壊れたのかもしれない、だが正常の皮を被ることにそれなりに成功している自分のような能力者もいる。統計などとれるものかと吐き捨てるように。]
(120) hinaki 2011/04/03(Sun) 22時半頃