─ 朝・自宅 ─
[PiPiPi…PiPiPi…PiPiPi…。]
……んあ…?
[聞き慣れた電子音が聴こえて、のあは重い瞼を少しだけ持ち上げた。
意識がまだ朧気で、うまく頭が回っていないようだ。
昨日はあれからいつ寝落ちたのか、あまり覚えていない。
とても熱い夜だった事だけは身体が覚えていた。
のあは寝付きがよく、眠るとちょっとやそっとの物音では起きたりしない。
目覚まし時計の音で起きる習慣をつける努力をした時も苦労をしたものだ。
だから、眠っている間に誰かが戻ってきても、あるいは、誰かが出ていっても、目覚めるまでのあは気づかない。
リビングには、客人の姿もまだ在っただろうか?
もし居るならば。
この後、残念ながら朝の登校チキンレースに巻き込まれる事になる。
のあが気付いた電子音────それは三度目のスヌーズのそれだった。**]
(118) 2020/01/13(Mon) 01時頃