俺も、か。
…君はお強請りもとても上手だ。
――……君の望む言葉を吐いたら、その時に君はどんな顔をするんだろうな。
それを考えるだけで…何とも、堪らない気持ちになるよ。
[愛を強請る彼の言葉には、男は直ぐには答えずに。髪に指を埋めて唇の先だけを触れさせ、その顔を覗いてみたのなら、彼は残念そうにでもしてしまうのだろうか。
だけれど、此方とて伝えたく無い訳ではない。男はそうして"蜘蛛が蝶に至る僅かな間だけ"彼の反応を堪能したのなら、脚を撫ぜる手はそのままに彼の耳元へと顔を埋める。]
――……好きだ、なんて言葉が生ぬるい程には…愛しているよ。
あぁ、愛しているとも。
[彼への愛おしさの所為か、囁く言葉はやけに熱っぽくなってしまいはしたけれど。だが今更、燻る熱を隠すつもりも毛頭無く。
その口から漏れる吐息や小さな声すらも逃したくなくて、半ば夢中にその柔らかさを貪る。]
(105) ねこんこん 2014/10/13(Mon) 00時頃