―ピッパの眠る一室―
[…トントン、と軽くノックをするも返答がない。
失礼する。と、扉を開けてみれば、漂うのは淫靡の香り…。]
……寝ているのか…?
[少し考えて、媚薬と麻薬の調合されたその薬をそっと体内へ大量に注入する。
普段から使うソレは媚薬でありながら麻薬だ。
末期症状もあるが、その依存性もまた高い。
一度使われた彼女だ。効能は依然より遥かに……。
そうして、横に座れば起きるのを待って、起き上がれば、第一声はこう訪ねる。]
王女がモンスターであると言っていたが間違いないか?
殿下や陛下の事、もはや状況は一刻を争う。
俺の顔など見たくもないかもしれないが、殿下が死んだとなれば、手段を選んでいる暇はない。
国を、いや、民を守るために俺の背中を信用して任せられるのは、今も昔もお前だけだ。
[真面目な顔でそう告げる……最も薬が回り切った彼女に真面目な話がどこまで耳に入っているかは分からない。**]
(101) 2013/02/21(Thu) 09時頃